平成27年度:NPO法人 コンシューマーズ京都:その1


[平成27年6月6日取材]

2013年に熊本で採択された「水銀に関する水俣条約」を踏まえた国内対策のなかで,家庭で眠っている水銀体温計・水銀血圧計の回収・適正処理が課題として示されています。京都市では,この間,蛍光管の適正処理とともに,家庭で眠っている水銀体温計・水銀血圧計についても回収・適正処理を行う方向を示しており,この取組を推進するために,NPO法人コンシューマーズ京都では昨年度から「水銀体温計・水銀血圧計の回収実験」に取り組んでいます。

今年度は,回収の呼びかけを地域のすみずみの家庭まで浸透させることが回収数の増加に繋がるのではないかということで,京都市北区をモデル地区として「水銀体温計・水銀血圧計の回収実験」に取り組みました。6月6日の北区民ふれあいまつり(会場:船岡山公園)にて,北エコまちステーションが資源物回収ブースを設けて「水銀体温計・水銀血圧計」を含む15品目を回収するのに先立ち,回収の呼びかけチラシ3万枚を作成し,区内に配達される京都新聞へのチラシ折込とあわせて,協力いただける学区での回覧や全戸配布により,細やかな周知をしました。当日は北エコまちステーション資源物回収ブースの傍らに,コンシューマーズ京都もブースを設け,「水銀体温計・水銀血圧計」を持参された方や通りかかる来場者に対して,「水銀体温計・水銀血圧計の回収に関するアンケートを実施し,さらなる啓発と周知に努めました。

昨年度も北エコまちステーションによる回収ブースは設置されていたのですが,「水銀体温計・水銀血圧計の回収」を特に取り上げたお知らせはなく,水銀体温計の回収は数本だったとか。今年はなんと, 46本(水銀体温計のみ)も集まりました。おばあちゃんに頼まれた,と言ってタコせんをかじりながら水銀体温計2本を持ってきてくれた小学生の女の子もいて,日常に溶け込んだこれからの「水銀体温計・水銀血圧計の回収を予期させる光景を目にすることができました。通りすがりでアンケートに応じる方も予想以上に多く,市民の方々の意識の高さを感じました。

折しも「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」が国会審議中で成立目前であった時期に実施された回収実験。回収する意義や回収方法の周知を徹底することにより,応える家庭と回収数が格段に増加するという結果が得られ,今後国を挙げて多くの自治体で回収が押し進められる場合に向けて,良き先駆的モデル事例を示すことができたのではないでしょうか。

回収された水銀体温計

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