令和3年度:「おうちでできるエコライフ!おむつで暮らしを豊かにしよう」おむつなし育児研究所京都サロン

おむつなし育児と聞いて、「おむつを使わない?」子育てと思ってしまいますが、全くおむつを使わないわけではありません。おむつなし育児とは、おむつを上手に使いつつ乳児の時からおしっこやウンチをおむつの外ですることを促す育児方法です。
おむつなし育児研究所京都サロンでは、今年度「布おむつ&おむつなし育児スタートセット」を貸出し、布おむつ育児やおむつなし育児を体験してもらうモニター(6組の親子、対象:申込時点で6ヶ月未満の乳児のいる家庭)を募集する事業を行っています。
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計画当初は京都市内の会場で対面講習会を開く予定でしたが、非常事態宣言下に重なり、オンラインでの実施に変更されました。連続講座(全3回)の第2回目の講座が10月1日にあり、今回はその様子を見せていただきました。講師は、おむつなし育児研究所京都サロン副代表の松本香澄さんが務めました。
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参加者の多数がごみ減量を実感

講座の第1回目は、事前に各家庭に届けた「布おむつ&おむつなし育児スタートセット」の道具のそれぞれの使い方や、布おむつに替えることでのごみ減量効果について話題提供を松本さんからされたそうです。そして、今回の第2回目は、「おむつなし育児の始め方」がテーマでした。
まず参加者からおむつなし育児の感想を聞くことから始まりました。1回目の講座から2週間が経ち、ほぼ全員がおまるや布おむつを利用した育児を始めていました。そして、すでに、紙おむつのごみ減量を実感されている方が多く、「ゴミ箱が紙おむつごみでパンパンだったのが、パンパンでなくなり嬉しい」、「1日全く紙おむつを使わずに過ごせている」、「外出や夜以外は布おむつを使っているので1日4枚くらいしか紙おむつを使わなくなった」と言う声も聞かれました。
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さらには、紙おむつだけでなく、お尻ふきのティッシュを使わず布おむつでついでに拭いてしまうと言うお母さんや、日常生活の紙の使い方も考えるようになりキッチンペーパー使用を減らしたり、赤ちゃんの顔ふきもガーゼに変えたりしたお母さんもありました。
参加者全員が、「排泄」に意識を向けた子育てをすることで、自分のお子さんの様子に敏感になり、お子さんのおしっこやウンチをおまるでさせられたことに驚いたり喜んだりと、本当に楽しそうにおむつなし育児に挑戦されていることが印象的でした。
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■おむつなし育児の実体験が講師から聞けるステキな機会を創出!

講座の後半は、講師の松本さんからおむつでの育児がいつから始まったのか、今と昔の育児の考え方の違いなどが紹介されました。
例えば、布おむつも紙おむつもない昔から行われていた「人間の赤ちゃんにとって自然な排泄のお世話」をすることがおむつなし育児であることに触れ、おむつの歴史について講義がありました。 日本で紙おむつが発売されたのは昭和20年代後半と比較的新しく、それまでは、1歳半くらいまでにほとんどの赤ちゃんがおむつを卒業していたそうです。それが、医学的に赤ちゃんの心身の発達を考えると、2歳より早くおむつがとれるのは難しいと言う考えが医学の専門家から提言されるようになり、現在は3歳位がおむつ卒業期と一般的に思われるようになったそうです。そのため、おむつ卒業の年齢が遅くなり、逆にトイレトレーニングが大変になっている場合もあるようです。一般的な基準を気にすることなく、目の前にいる我が子を知る、分かってあげたいと言う気持ちがあるなら、おむつなし育児にぜひ挑戦して欲しいと松本さんは話します。
具体的なおむつなし育児方法の伝え方も、松本さんは、赤ちゃんの人形を使って実演してみたり、パワーポイントでどのような服装やおむつを使えば良いのか具体的に写真で見せたりすることで、参加者のお母さんにはオンラインでも十分伝わる内容でした。また、松本さんご自身の子育て体験談も紹介されていたので、参加したお母さんたちも共感を持って講義を受けておられました。松本さんの親しみやすい話し方も加わって、参加者同士も打ち解けた雰囲気で楽しい講座でした。
さらに、同席されていた助産師の谷川さんへの子育て悩み相談の時間も設けておられ、こどもの排泄以外の心配事を相談されるお母さんもあり、最後まで和やかに会が終了しました。
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おむつなし育児研究所京都サロンでは、YouTubeで布おむつの使い方について動画を作成し、おむつなし育児がスムーズにできるようなサポートにも心を砕いておられます。
最後に、参加者のお一人から、オンラインのチャットで「いただいたパンフレット(注※)で紙おむつごみの量にびっくりしました。布おむつという選択肢があることすら知りませんでした。紙おむつごみの焼却量を考えると、紙おむつと布おむつが選択できる病院や助産院を知っておきたかったです」というご意見もあり、布おむつを使っている病院をリスト化するなどして、ごみ減量の観点からも布おむつ育児の認知度を上げていく必要を感じました。

※おむつなし育児研究所京都サロンが2021年度用に作ったパンフレットに1年間に京都市で出される赤ちゃんの紙おむつごみは1405万kg超、と記載されている。

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