令和2年度:ごみ減量のエコ地域づくりの拡大~他地域・若者との連携をめざして

[桃山エコ推進委員会 令和3年2月14日取材]

 桃山エコ推進委員会は、桃山地域エコ学区推進の担い手として、生ごみコンポスト講習会、落ち葉コンポスト、みどりのカーテン活動、防災等を意識したロケットストーブ活用などの環境に負荷をかけない暮らし方を地域の様々な人に提案してきました。活動が認知されるにつれて、地元の小学校、消防団、児童館などいろいろな地元団体とも連携が出来ています。そして、コロナ禍の状況にあっても、その活動の歩みを止めることはありません。今回は、桃山エコ推進委員会の大倉正暉さん(委員長)と、同じくメンバーで奥様の大倉文子さんお二人にオンラインでインタビューをして、今年度の活動状況をお聞きしました。

エコ学区だけでなく他地域に広がるエコ活動の知恵

桃山エコ推進委員会が活動を始めて今年度で6年目となり、活動の中心である生ごみコンポストの普及、ロケットストーブを使って防災やごみ減量・エネルギー自給についての啓発活動は、桃山学区内だけでなく、学区外からも講師派遣依頼を受けるようになってきました。
まず、可燃ごみ(生ごみ)を減らすために段ボールコンポストを広げ始めたのは、2017年。これまで、毎年学区内で講習会を開催しており、今では活動を継続するリピーターも出てきており、地域では着実に活動が定着してきています。また、最近では、他地域の段ボールコンポスト講習会で、活動の先輩として桃山エコ推進委員会メンバーが講師を務めるにまでなってきました。例えば、2020年10月には、生活クラブ京都エル・コープもり部主催の段ボールコンポスト説明会が2回、上賀茂神社と醍醐寺で開かれ、桃山エコ推進委員会のメンバーが講師を務めました。上賀茂神社・醍醐寺の講習会で講師を務めた榊原さん、小宮山さんは、これまでの実体験に基づいたお話をされ、これからコンポストを始めようとする初心者にはとても分かりやすいものでした。また、11月に実施された京都市ごみ減量会議の生ごみ堆肥化講座でも、桃山エコ推進会議のメンバーが講師陣の一人を務めました。
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桃山エコ推進委員会の姿勢は、講師として教える側だけには留まらず、協力した団体からの知恵も取り込んでいきます。生活クラブ京都エル・コープの講演会・相談会に参加した際、エルコープの企画「相談会」の大切さを学び、すぐさま体験者同士の交流相談会を実施することにしました。それは10月30日のエルコープ・生ごみコンポスト講習会から8日後に実施されました。桃山エコ推進委員会の講習会は、体験後にアンケート調査はしますが、コンポスト体験後の相談会はこれまで実施していませんでした。エル・コープの相談会を体験した大倉さんは、メンバーの同意を得て今年度は予定していなかった相談会を急遽企画し実施しました。急な呼びかけにもかかわらず10名ほどの参加者があり、相談会で出た意見などを参考にするとともに、来年度からは定番メニューとして計画したいと意気込みます。
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ロケットストーブ推進はコロナ禍でも歩みを止めない

桃山エコ推進員委員会のコア活動の一つとして、地域でロケットストーブを普及させることがあります。ロケットストーブは、庭などから出る剪定枝などを燃料にすることもできるのでごみ減量にも貢献。バイオ由来のエネルギーなどで温暖化防止にも繋がります。さらに、災害などで避難時の炊き出しなどにも活用でき、防災面からも注目を浴びています。このロケットストーブを使って、桃山エコ推進委員会のメンバーの中には、町内地蔵盆の際にエコ地蔵盆と称してロケットストーブでバーベキューをする人がいるだけでなく、地域イベントで委員会は地元小学校の少年補導委員会主催行事で足湯体験コーナーを設けたり、自主防災会主催の防災訓練で炊き出しをしたりするなどの啓発活動を行なってきました。
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しかし、2020年度は、コロナ感染症の関係で、地域のイベントが軒並みキャンセルになりました。そんな中でも、緊急事態宣言が出ていない期間では、ロケットストーブ実演や製作ワークショップの依頼もそこそこあり、他地域からの講師依頼も少しずつ増えています。1月16日に行われた伏見わっか朝市でも、ロケットストーブの実演をしました。
ロケットストーブは非常時の調理に役立ちますが、突然何か起こった時に普段使い慣れていないとうまく使えないことも想定されます。そこで、大倉家では、非常時に備える意味で、自宅でも定期的にロケットストーブ調理実践しているそうです。例えば、2台のロケットストーブを使って大晦日の夜にはお節料理づくりをしたそうです。また月に2〜3回ご近所の方に「ロケットストーブでごはん炊きましょうか?」サービスをしているそうです。「ごはん炊きましょか?」は、ご近所の方に夕飯用ご飯のお米を持ってきてもらい大倉家でロケットストーブ炊飯し、炊けたら取りに来てもらう活動だそうです。自宅でロケットストーブ実演をすることで、ロケットストーブの認知度も広がり、さらに日常的にご近所さんの顔の見える関係を作っておられます。思わず、私も近所だったら大倉家にご飯炊きをお願いしたくなりました。
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私たちが想像もしなかったコロナ禍の状況でも、いろいろ知恵を絞り、アウトドアで小規模でも環境活動を続けている大倉さんご夫婦、そしてその活動母体桃山エコ推進委員会。来年度は、環境教育・落葉堆肥の活動面でも地元小学校やPTAと連携強化を図ることも検討中だそうです。桃山エコ推進委員会のメンバーは地域に様々な環境活動を展開し、地域力を高め、そして環境活動の輪をこれからも広げていくことでしょう。

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