令和2年度:プラごみ削減のための消費者の意識調査および啓発活動

[NPO法人コンシューマーズ京都 令和3年1月15日取材]

 NPO法人コンシューマーズ京都は、昨年度は容器包装プラスチックをテーマに意識調査を行うなどプラスチックごみ削減啓発活動を進めてきました。今年度は「レジ袋有料化の課題とさらなる削減への提案」に取り組んでいます。現在実施中の調査概要や進捗状況、今後の活動予定について1月15日(木)にプロジェクトリーダーでもある副理事長の有地さんにお話を聞くため、烏丸御池にある事務所を訪ねました。

レジ袋有料化のビフォー・アフターを探る調査

 昨年7月に全国でレジ袋有料化が始まりました。7月開始当初はテレビなどメディアがレジ袋の代わりにビニール袋を買い求める人が増え、店頭に並ぶビニール袋が品薄になったと報じていました。レジ袋有料化から半年、市民はこの制度についてどう考えているのかを探るのが今回のアンケート調査の主な目的です。
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 現在行っているアンケート調査は、協力者募集チラシにQRコードを掲載し、QRコードを読み込んでもらうと質問表が出てきます。質問項目の多いアンケートだとなかなか答えてもらえないので、今回は5分以内で回答できる様に質問を10問に絞って設計したそうです。
例えば「無料のレジ袋についてどう思いますか」という設問について、ヒアリング時点では「有料にすべき」が47.9%、「無料でもよい」が46.9%と、賛否が分かれる回答となっています。一方で、7月からマイバッグを使う頻度についての質問では、81.4%の回答者が「頻度が増えた」と答えたので、マイバッグ持参の動機付けになっているようです。
 コンシューマーズ京都では、これまで紙媒体でのアンケート調査を実施してきましたが、今回はグーグルのアンケート機能を使ってのオンライン調査に初めてチャレンジしました。オンライン調査の仕組みを理解し設問を作る作業など、慣れるまで大変苦労をしたそうです。
しかし、この方法だと回答集約が簡単にできたり、リアルタイムで回答の傾向が分かるなど、便利な面も見えてきました。今回の調査は計画当初は100名ほど協力があればと想定していましたが、想定以上の回答がありました。1月15日時点で120名余りの方から回答があり、2月末まで継続受付予定で、さらなる回答数が期待できるとのことでした。
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 この調査と並行して令和3年1月1日から施行された亀岡市のプラスチックゼロ宣言の反応を、亀岡市に出向いてヒアリング調査をする予定もありましたが、年末年始のコロナ感染症拡大の状況もあり、今年度内に亀岡市での調査については実施が難しくなっていると感じているそうです。

今後の「プラレジ袋を使わない生活」のヒントを探して

 コンシューマーズ京都では3月8日に「使い捨てプラを減らそう」というタイトルで報告会を開催する予定です。その報告会では、京都大学でマイクロプラスチックの問題について研究している京都大学の田中周平先生にお話を聞くそうです。併せて、今年度実施したレジ袋有料化に関する意識調査結果についても報告します。最終的にどの様な結果になるのか楽しみです。また、今回の調査では、レジ袋を減らすための工夫についても質問をしていて、「パンの袋や新聞紙を活用する」や「包装用の袋を取り置きして使用する」、「ごみ箱に使うゴミ袋を1回で捨てない」などの回答がありました。調査で集まってきたこれらの「プラレジ袋削減」の実践例についても、令和3年度には「プラごみ減らす知恵袋」というタイトルで冊子を作成し、広く啓発していきたいと有地さんは意気込みます。

[当事業アドバイザー 西澤浩美]

2021年2月事業報告(動画)

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