令和2年度:落ち葉からSDGs~森へのパスポート~

[森パス実行委員会 令和2年11月7日取材]

 森パス実行委員会は、今年度から立ち上がったグループです。林業女子会という森に関わる活動をしているメンバーが中心になって活動を開始し、今回のプログラムは、森と暮らしをつなぐことをテーマにしています。私たち人間が自然の輪っかの中で暮らしていることを改めて気づき、生活の中に自然の循環を感じることができるように、さらに小さいお子さんをもつ家族でも参加しやすいようにイベントを企画しています。今回は、11月7日(土)に上賀茂神社で実施された「落ち葉探偵団」について紹介します。

落ち葉をテーマに自然観察!

「落ち葉探偵 森へのパスポート」に参加するため、上賀茂神社の鳥居前に集まったのは子どもを含め約20名の参加者たち。当日の雨で、キャンセルした方もありましたが、当日集まった人たちは、雨の中でも大丈夫な服装で、小雨の中でのプログラムを楽しんでいました。
今回のプログラムは、落ち葉博士(自然観察指導員)からヒントをもらいながら、
1)葉っぱや木と仲良くなる、
2)木と土のつながりを知る、
3)木と私たちの暮らしを考える、
の3つのミッションをクリアするという組立てになっていました。
まずは、第1のミッション「葉っぱや木と仲良くなる」では、落ち葉探しや木の実探しを行い、見つけた葉っぱで絵巻物を作ります。当日は黄色い葉っぱから茶色っぽい葉っぱまで様々な色のサクラの葉っぱが大集合。ステキなグラデーションの絵巻物が完成しました。この絵巻物を使って、葉っぱの紅葉の秘密を知る観察が始まりました。落ち葉博士の自然観察指導員京都支部の清水さんが「紅葉とは何か」「なぜ色が変わるのか?」を、絵巻物や教材を使ってわかりやすく説明してくれます(写真1、2、3)。
一緒に集めたどんぐりについても見分け方など教えて貰い、数種類のどんぐりを通じで木々の性質なども知ることができました。
画像の説明文
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*(写真)落ち葉探しと落ち葉の絵巻物

森とつながる暮らし、落ち葉コンポストで森の営みを自宅でも!

 次は第2ミッションの「木と土のつながりを知る」プログラムです。落ち葉で地面が覆われた場所に移動して、落ち葉めくりとその中から出てくる虫を探します。落ち葉をピンセットで一枚一枚めくっていくと、落ち葉を大地にもどしている働き者、小さな虫たち「土モン」が見つかります。参加者は落ち葉をめくりながら、真剣なまなざしでピンセットの先を見つめていました。
落ち葉観察の後は、最後のミッション「木と私たちの暮らしを考える」の時間です。「落ち葉の堆肥化」の活動に長年関わっておられる「京の社プロジェクト」の中田さんが登場し、活動の紹介とともに落ち葉できた腐葉土について話します。中田さんの話から、この落ち葉腐葉土を活用して生ごみを堆肥にすることができることを学んだ参加者は、おしゃれな堆肥化セットをそれぞれの家庭に持ち帰り、自宅で生ごみを土に還す取組を始めることになります。
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*(写真)落ち葉めくり
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*(写真)京の杜プロジェクトによる落ち葉たい肥化の取組

親子で自然循環を感じるストーリー性のあるプログラム、今後も期待大!

 今回のイベントの参加者は、小さいお子さんを連れた若い家族が中心でした。プログラムは子ども向けのものでしたが、子どもだけでなく、保護者も観察会にぐいぐい引き込まれていました。「どんぐりにもいくつもの木の種類がいろいろあることを初めて知りました。」と語るお父さんの姿も。
最後は、生活の中での具体的な環境、ごみ減量への取組に参加者をいざないます。3つのミッションを進める中で、いろいろな視点から私たちの暮らす環境についてゆっくり考えることのできる時間が今回のプログラムでは作られていました。この企画を考えたのは、森パスポート実行委員会副代表の川勝さん。様々な活動に携わる専門家と連携した今回のプログラムでも十分面白いと思っていたら、川勝さんは、今回のプログラム構成はまだ開発途中、配ったパンフレットの出来もまだ50%で今後もっと充実させたい、とのこと。森パスポート実行委員会が今後どのようなプログラムを作っていくのか、さらに進化予定のプログラムに再度参加したい気持ちになりました。
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RIGHT:[当事業アドバイザー 西澤浩美]

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