令和2年度:傘から広がるSDGs DIY&福祉連携 傘アップサイクル プロジェクト

[一般社団法人 里山デザイン 令和2年12月12日取材]

 2020年12月12日(土)、(一社)里山デザインさんのワークショップ「アップサイクルのアクセサリーとヒンメリ作り」に参加しました。
 場所は右京区京北町。2005年4月1日以降、旧北桑田郡京北町は京都市右京区を構成する一地域になっています。京北町の中心部・周山には京都駅からJRバスが出ています。周山まで1時間20分。山道を走りましたが、快適に現地まで行くことができました。
里山デザインさんの事務所は、JRバスの周山バス停のすぐ横にあります。そこで里山デザイン福元代表と合流し、京北町内でのまちづくり活動などを聞かせてもらいました。そこから福元さんの自家用車に乗せてもらい、ワークショップ会場の「山の家具工房 人と木」に向かいました。「人と木」のある山国(やまぐに)地区は、時代祭の時代行列で先導を務める維新勤王隊を輩出した地として有名です。江戸時代は禁裏御料といって、数少ない皇室領だったところで、旧住民さんの気風も京北町の他地区とちょっと違うとのことでした。地名は山国といいますが、決して山深いところではなく、平らな土地も多く田畑の開けた明るいところで、最近は若い移住者も(そこそこ)あるとのことです。
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 会場の「人と木」の主の田路(とうじ)さんも京都市伏見区からの移住者で、ご主人が家具の工房を営まれています。奥さんは工房の一角に、「ほんのひととき」という地域の人たちが集えるスペースを作ってらっしゃいます。
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田路と里山デザイン福元さんは、もともと京北の地域活動等でご縁があり、さらにお子さん同士が小学校の同級生ということで親交を深めて、この場を借りたワークショップ等をされています。会場の工房は、この地にあった工場を田路さんが引き取って改装されたもので、敷地内には山羊小屋があり、丹波栗の木も植わっていました。ただし、山羊たちは純粋にペット。とても人懐っこくて、近付くと「遊んで~」と寄ってきました。
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 「ほんのひととき」には、京北町内での小学校の統廃合などで除籍された本も含めて、多くの絵本や書籍がありました。環境や福祉、平和、芸術、食の安全など、田路さんご一家の幅広い関心を伺うことができました。
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 さて、本題のワークショップの中身ですが、里山デザインさんへの助成案件は、ビニール傘のアップサイクル。急な雨に降られた時など、安くどこでも購入できるビニール傘は重宝します。ところが耐久性は今ひとつ。簡単に骨が折れたり、傘のビニールが剥がれたりして、ごみにせざるを得なくなります。これをごみにするとなると、さぁ大変。骨も傘も様々な材質があり、接合方法も様々。処理困難ごみになってしまいます。ビニール傘は年間8,000万本も消費され、4,000万本廃棄されるといいます。廃棄されるビニール傘を使ったアップサイクルを通じて、ビニール傘の大量消費と大量廃棄に気づき、プラスチック問題をはじめ広く環境問題を考え、日常の暮らしに活かすことを目的にしています。
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 もともと申請時は、傘の部分を活用したカイト(凧)づくりやポンチョの作成を提案されていましたが、幾度かのワークショップを通じて、新たなアイデアが生まれています。傘のビニール部分を、クッキングシートではさみ、アイロンをかけると、磨りガラスのような風合いになります。それを活用したアクセサリーやオーナメント作りを参加者と実施されています。
 12日当日は、京北町内からの参加者だけでなく、京都市街地からも大学生と高校生が参加していました。以下はワークショップの光景と作品群です。
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 ごみ問題への関心喚起だけでなく、地域の人たちとの交流などにもつながっている取組であると感じました。
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報告 堀 孝弘

ごみ減のサイト

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