平成30年度:ごみ減量ボードゲームづくりレポート その2
ボードゲーム「みんなのごみ」のテストプレイ
小春日和の11月下旬、特定非営利活動法人 環境安全センターさんによるボードゲーム「みんなのごみ」のテストプレイを行うため、大阪市立大学大学院工学研究科の水谷 聡准教授を訪ねました。実は、半年前の5月にも、水谷准教授の協力により水谷ゼミの学生たちとテストプレイを実施。今回はその時よりもブラッシュアップした内容で臨みます。
ゲームの鍵は「相談すること」
「みんなのごみ」は、ごみの削減をテーマにした、協力型のボードゲーム。不要になったものをリサイクルするだけでなく、「おさがり」や「修理して長く使う」など、リユースやリデュースに繋がるアクションを大切にしています。
まずは、初めて参加する学生のために、手作りボードゲーム チーム「たなごごろ」さんからゲームのルール説明がありました。一緒にプレイする人数は、2~4名、6種類のごみ(衣類、プラスチック製容器包装、もえるごみ、缶・ビン・ペットボトル、古紙、大型ごみ)を「ごみにしない」アクションをすることで、最終処分場をごみで溢れさせないように5年間を乗り切ります。
現在の標準的な設定での成功率は、3割程度。非常に頭を使うゲームであり、何よりプレイヤー同士の会話がミッション成功の鍵となります。
手に汗にぎるゲーム展開
今回は気心の知れた、師とゼミの仲間たち。ゲーム冒頭から「私、もえるごみを処理できます」や「先生に古紙をお願いできますか?」など、積極的にごみの削減を行い、1年目のごみの排出量は10個に留めました。
2年目も、効率良くごみを減らすことができ、ごみの排出量は7個のみ。
3年目には、「ごみ処理施設の見学に行き、知識力がアップする」というアクションカードが出て、2名のプレイヤーがこのアクションに参加。更に、水谷准教授が古紙、衣類の削減に力を発揮し、プレイヤー同士が積極的に協力した結果、ごみの排出量は6個に抑えられました。
4年目は、イベントカードによって産業廃棄物が2個(ごみ排出量は2倍の4個分)も出現しましたが、技術力・人間関係力の点数が高いプレイヤーの元に産業廃棄物を処理できるアクションカードが集まり、何とかピンチをクリア。また、大型ごみも多く出ましたが、アクションカードを上手く活用しごみの削減に成功するなど、見ている方もハラハラする展開でした。ごみの排出量は、やや多めの9個。
5年目は、心のゆとりが4ポイント(ゲーム開始時は2ポイント)となった水谷准教授が大活躍。イベントカードから大量のごみが出るという厳しい条件にも関わらず、互いにごみの削減を進め、ごみの排出量はたったの5個。5年間のごみの合計数は37個で、無事ミッション成功(40個以内)となりました。約1時間のゲームを経て、みなホッと一息。ゲームを体験した感想を述べ合いました。
何度も挑戦したくなるゲームを目指して
たなごころさんからは、「5月のテストプレイの時よりも、1年につき5分程度プレイ時間が長くなった。会話が増えた結果で、これがゲームをクリアできた要因では」と分析。大関さんからは「4名のごみの減らし方から人柄が感じられて、とても興味深かった」との感想が聞かれました。
参加した学生からは、「3年目に、心のゆとりが全員1ポイントアップしたのが大きい。これが成功率アップに繋がったのでは」との意見や、ごみの排出レベルを下げるアクションカードを持っていた学生からは、「後半戦、目の前のごみの削減を優先してこのカードを使う機会を失った。ごみの排出レベル自体が下がれば、もっと楽にゲーム進行ができたかもしれない」と、ゲーム攻略に言及した意見もありました。
この他、「ごみの排出が0個になる年があったら、ボーナスアクションを設定してはどうか」や「アクションカードの内容を見た上で選んではどうか」など、ゲームの楽しみ方が更に広がる可能性も指摘されました。難易度を高めるために、最終処分場に収容できるごみの個数を減らしたり、ごみの排出レベルを上げたりと、簡単な工夫でゲーム設定を難しくできることも、このゲームの魅力です。
もう一度やりたい
「もう一度やりたい!」「もう1回やったら、もっと最初から戦略的にプレイできそう」。ボードゲーム「みんなのごみ」は、不要になったものをできるだけ「ごみにしない」方法を学んだり、うまく仲間と協力できなかったりという「経験」が、次に活かせる「知恵」に繋がり、ゲームの枠を越え、自分自身の生き方を考えさせてくれます。仲間と一緒に、「ごみ」との付き合い方を探してみてはいかがでしょうか。
緊急のお知らせ
12月10日17時に復旧いたしました。
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当会議への電話も繋がらない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。