平成30年度:地域・多世代連携で家庭内ストック問題を解決するモデル開発 その3

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 若者とシニアの協働で,家庭内で活用されずに眠っている家財道具や様々な品々を,それが必要な人の手元に回して有効に活かしていこうという「地域・多世代連携で家庭内ストック問題を解決するモデル開発」プロジェクト。今年度の活動の柱は,エコ商店街第1号の出町桝形商店街と一緒に“リユースマルシェ”を行うことでした。たいていのおうちにはある,使うともなく置きっぱなし,しまいっぱなしの物。それらがいずれ処分されなければならない状態になる前に,必要な人に譲り渡しリユースするという活動に,商店街と学生が協力して取り組みます。
 前回は学生ボランティアの皆さんらによる企画会議を訪問させていただいたこのプロジェクトの晴れの舞台,「出町桝形商店街 エコ!お宝発見市」に参加してきました。
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【企画概要】
名称:出町桝形商店街 エコ!お宝発見市

      http://kyoto-gomigen.jp/news/64.html

日時:平成31年3月13日(水)~17日(日) 10:00〜18:00
場所:Deまち&出町桝形商店街(京都市上京区一真町67)
内容:

(1) お片づけ座談会 3月14日(木) 15:00〜16:30
(2) フリマアプリ講習会 第一弾~フリマアプリって何? 勉強会~ 3月14日(木) 13:30〜14:30
(3) フリマアプリ講習会 第二弾~やってみよう!ワークショップ~ 3月16日(土),17日(日) 15:00〜17:00
(4) わらしべマーケット 開催期間中
(5) リユース掲示板 開催期間中
(6) エコ縁日 開催期間中

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 訪問した3月17日(日)の午後には,わらしべマーケットとリユース掲示板,フリマアプリ講習会が開催されていました。

 商店街の中程に設営されていたのが,わらしべマーケット。並んだ椅子の上に品物が一つずつ,また机の上にも複数の物が置かれています。最初は商店街の人たちから出していただいたリユース品を並べるところからスタートし,通りがかりの人が,その中から自分の欲しいものを見つけ出して,自分の持ち物を交換に置いていきます。
 本,マフラー,服,雑貨などが並んでいたので,私も試してみました。押し入れに眠っていた加湿器を置いて,ショールをいただきました。必要なくて困っていたものが誰かに役立つものになり,使えるものが手に入って,ありがたく感じます。
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 少し横道に入ったところに,エコ!お宝発見市のお店が展開されていました。商品は商店街の皆さんから提供いただいたリユース品で,格安販売されています。レトロ感がおしゃれな手鏡や扇子,食器。立派な靴,帽子,服,浴衣,風呂敷,ぬいぐるみ……。若い皆さんのセンスなのか,ディスプレイもすてきです。お客さんの入りは天気に左右されたようで,雨が降ったり止んだりのこの日は少なめだったとのこと。それでも,ひとり,またひとりと来客がありました。
 よく売れたのは,置物や食器,風呂敷,意外にもぬいぐるみだったそうです。松陽学区地域ごみ減量推進会議を訪問した際に(前回記事を参照),1セットの食器は一つでも足りないとバザーには出せないとみんな思っていると聞きましたが,ここで並んでいる品々を見ると,お客さんには気に入ったものがその人に必要な数だけ購入されている様子がうかがえました。
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 15時前になると,お客さんが増えてきました。フリマアプリ講習会に参加される方々です。40,50代ぐらいの女性が集まって,普段アプリを利用して物を売買している学生さんを講師に,講習会が始まりました。
 自分にとっての不要品を売買しあうフリマアプリにはどういうものがあるか,今日は一番ポピュラーなメルカリを利用して試してみましょう,物を出品するための手順は,と説明があった後,実際にそれぞれが自分のスマホで出品を試してみる実践です。
 登録の際のニックネームは? パスワードは? いろいろ求められる登録事項にはどう対応すればいいの? 商品写真の撮り方のコツは? 商品説明にはどんなことを書いたらいいの? 基本的な細かい質問にも,二人のスタッフが丁寧に指導してくれました。他の出品者の販売済みの商品を見て,どんなことを書いているか,どんな写真を載せているかを見て参考にするといいですよとアドバイスがありました。
 しばらくして,生徒が2人増えました。昨日の講座に参加された年配の方で,やってみたけどこの後どうしたらいいの,とさらに質問を持って来られたのです。「ここにコメントが届いていますよ」「この方から値下げ交渉を求められていますけどどうします?」と出品後の次のステップが教えてもらえ,今日からの参加の方にも参考になったようです。
 「そんなに高く売れるわけでもないし,売れたものを現金化するのも手数料がいるし,お金になるものではないねえ」「でも,うちにある物が減らせると思ったらうれしいよね」という感想が上がっていました。

 帰り道に再びわらしべマーケットをのぞいてみると,私が持ち込んだ加湿器はなくなり,他の品々にも入れ替わりが見られました。
 スタッフに尋ねてみると,商店街の皆さんから最初にリユース品の提供をお願いすると,快く協力してもらえ,順調に品々は集まったとのこと。ただ,わらしべマーケットでは,不要品を出すのはよくても別の物を持って帰るのは嫌という方がいたり,誰も欲しくないような不要品を持ち込まれる方もいたりされたようで,次の実施時には工夫が必要だとすでに課題が分析されていました。
 今回が初めての企画で,小規模な実施ではありましたが,「物を無駄にしないこういう取り組みはいいよね」といった歓迎の声をお客さんから聞くこともできました。ぜひ毎年恒例のイベントとして,さらに盛り上げていってほしいと感じました。
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