平成30年度:地域・多世代連携で家庭内ストック問題を解決するモデル開発 その2
西京区松陽学区地域ごみ減にて
松陽学区地域ごみ減量推進会議のメンバーは女性が中心。わいわい元気で和やかに会議を進められていました。その時間の一部をいただき,応用芸術研究所の片木孝治さんが,本プロジェクトの趣旨と昨年実績や今後の展開についての思いを説明された後,意見交換をしました。
松陽ごみ減は,もとはひまわりというグループで,エコへの取組として使用済み油の回収からスタートされたとのこと。不要品を活用するためのバザーが地域にはいくつかありますが,真新しいもの,きれいなものしか皆さん出されないため,仮に5枚セットのお皿が1枚でも欠けたら出せないという意識だそうです。
来月に枡形商店街で開催されるリユースマルシェで行われる,必要とする人に不要品を回し合うイベントやフリマアプリの使い方講習会などの企画について片木さんより紹介されると,話が発展していきました。
不要品の整理、もらい手さがい
たとえば施設に入る方や亡くなられた方の家の荷物の整理をどうするか,「必要ならお持ちください」と書いて子どものおもちゃなどが家の前に置いてあるのを見たことがあるという方から,こういうことから考えていけばいいのではと発言がありました。自分が要らない物でも他の方が持って帰ることがあるのだから,5枚セットが1枚欠けていてもいいだろう,バザーに現状どんなものが出されているのか調べてみようとのこと。
ストックレス仕組みをどう作る
町内にある“ごみ屋敷”が話題になりました。元は「もったいないから他で活かそう」という想いだったらしいけれど,今では荷物が積み上がっている状態になっていると。プロジェクトから,よくある「リユース品回収」の仕組みでは,物品をストックする場所と時間が必要になり,うまく回っている間はいいけれど「たまり始める」と問題が出てくる可能性があること,そのため「ストックレス」の仕組みを考えることが今後のリユース活動には必要だと説明されました。
・持っている物が不要品だとわかっていても捨てられない世代もいるため,そこは無理やり変えようとしないで,学校で知識を得てきた子どもなど若い世代から良い知恵をもらっていけるといい,本来は9割以上がリサイクルできるはずのぼろ布のように知らないからごみとして捨てている物が多いため,大人も正しい知識を学べるようにし,学んだことはまわりの方に伝えていかねばという発言もありました。
人からもらったものは雑菌だらけ?
人からもらった物は雑菌だらけというコマーシャルが流れているけれど,清潔を求める風潮がある中で失ってはいけないものがあるから,どこまでくじけずに押し通していけるかを考えないといけないという意見も出ていました。
京都の土地柄 松陽の地域性
意見交換を踏まえて,京都という土地柄,他人に家を丸ごと片付けてもらうことを受け入れるのは無理でも,家庭にストックされている物品をちょっとずつでも気楽に出していけるように,どういう動きをすればごみ減量につながるかを松陽学区としても考えればいいのですねと言われ,プロジェクトからは実行しないまでもまずは話題にしてみてほしいと要請されました。
松陽学区として具体的にどう取り組めばいいか考えてみたいとのこと。たとえば要らないものを持ち寄る日を決めるなど試しにやってみるのはどうか,今月こういう物を出したいと思うという情報をためていって需要側と供給側のネットワークを作れたらいいのではないか,もしフリマアプリの講習会をするならPTAに声をかけてみようかなど,アイディアはさらにいろいろ出てくる様子でした。
プロジェクト側の動きとしても,学生からリユース品の「オーダーリスト」を出すことを計画中だそうで,地域の活動と連携して,物が人から人へと直接譲り渡されるストックレス活動につなげたいとのことです。
この意見交換を機会に,松陽学区ごみ減では新たなごみ減量の動きが生まれてきそうな胎動を感じました。
次の年度には結実することを期待しています。