平成29年度:「地域での小型バイオガスプラントの開発と普及」:レポートその2
[平成29年12月25日取材]
地域での小型バイオガスプラントの開発と普及 その2
クリスマスのとても寒い日に再び木野環境さんの事務所にお邪魔してきました。
前回の作業の続きということで、冬季のメタン菌たちの活動を助けるべく、寒さ対策です。人間と同じですね。青い200リットルのタンク全体を、断熱材の施された木箱で囲い断熱します。枠にあたる木の箱と内側に詰める断熱材がぴったりの寸法にカットされているので、二人がかりで左右息を合わせてセットしていきます。が、なかなか難しいようです。でも、笑いながら前向きに作業されていて、見守るこちら側にも楽しさが電波していました。
続いて水耕栽培セットの製作です。こちらもまたエコのオンパレードです。水が腐敗しないように循環させる必要があるということで、この循環用のモーターを稼働させるために、太陽光発電機をつけていました。すごい!
塩ビ管に穴を開けているところが苗を入れる場所です。
この作業の間に、廃棄物が専門である木野環境さんからいろいろなお話を聞きました。
現代は資源の分別がとても進んでいるとのこと。容器包装リサイクル法ができ、容器包装プラが分別され、リサイクルされています。同様に雑紙の分別、リサイクルも進んでいます。国の審議会では、容器包装だけでなく製品プラスチックのリサイクルも話題に上がっているそうです。一方で、ただでさえ燃えるごみの4割が生ごみなのに、分別リサイクルが進んだ結果、ごみが燃えにくくなってもいるそうです。地方の焼却炉では、重油を足して燃やしている状況もあるそうです。
ごみが減るのはよいことですが、人口もこの先どんどん減っていくことは周知の事実。都市部は増えるところもあるかもしれませんが、地方では人口が半分になる可能性もあります。それは税収、ごみ、カロリーが減っていくということを意味しています。焼却炉の更新補助も足りなくなるかもしれません。
「今後人口が減り、これまでのようなインフラが負担できないという事態になる場合、ドラスティックな改革をしないといけません。産業構造、インフラ構造を変えていく必要があると思っています。バイオガスを導入すると、焼却炉が不要になり、し尿処理、下水処理施設も併せて全部ひとつにできます。が、このようなことを言っても、現時点では『バイオマスってなぁに?』と言われてしまいます。そこで、まずは小さく見せる。近所のお母さんたちにも見てもらい、理解してもらう。そして、いつかコミュニティで導入してもらえるようになればと思います。目に見える小さな循環モデルができるよう、まずは周知のステージです。」などと、今回も大きなビジョンとアツいお話が聞けました。30軒の家庭から生ごみをもらったら、1軒分のガスができるそうです。私自身、生ごみの堆肥化は自宅でしていますが、肥料はできてもガスはできません。生ごみから野菜を育てるための肥料と調理や給湯用のガスがとれる「バイオガスプラント」の魅力が徐々にわかってきました。
いよいよ次回は、地域の方に向けてのお披露目だそうです。
・生ごみを投与して何か有益なものが作られます
・それはメタン菌たちのおかげです
ということを知ったら、地域の方はどんな反応をするでしょうか。そして、どんなことを考えるのでしょう。次回が楽しみです。
緊急のお知らせ
12月10日17時に復旧いたしました。
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12月10日(火)京エコロジーセンター全館停電で閉館しております。
当会議への電話も繋がらない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。