平成29年度:「地域での小型バイオガスプラントの開発と普及」:レポートその1
[平成28年9月11日取材]
地域での小型バイオガスプラントの開発と普及 その1
まだ暑さ厳しい日に、四条烏丸の南西に位置している木野環境さんの事務所にお邪魔してきました。
「地域での小型バイオガスプラントの開発と普及」というテーマで取り組まれているということは、事前にお聞きしていましたが、正直「バイオガスプラント」のイメージが浮かばなかったので、作業現場では興味津々でした。
まず、初めに見せていただいたのは、この20リットルタンクの「超小型プラント」です。この写真の左上から生ごみを投入すると、その生ごみが発酵し、バイオガスが発生します。右上がそのガスの出口になります。右下のコックは液肥を出すところです。
この超小型プラントを用いて、生ごみからバイオガスができるまでを体験することができます。
バイオガスは、多くの人にとって身近な存在ではありません。ですが、家庭から出る「もやすごみ」の4割は生ごみです。そして、その生ごみの8割は水分です。そんな生ごみを焼却していることへの矛盾は、ごみ問題に関心をもち、このデータに触れた多くの方が感じる点ではないでしょうか。
木野環境さんから「バイオガス技術を使えば、生ごみを焼却せずにエネルギーと肥料に変換できる。ひいては脱石油社会のための循環型社会の構築につながるのでは?」という大きなビジョンを持って取り組まれていることを聞いて、わくわくしてきました。
また、簡単な装置を作って、地域の方や子どもたちに触れて、原理を理解してもらうことで、大きなビジョンへと向かうのだとわかりました。
もうひとつの「小型プラント」は、200リットルポリドラム(青)で作成中です。冬季は気温が低く、あらかじめタンクに入れてあるメタン菌による発酵が進みにくいそうです。このため、冬にはこのタンク全体を木の板で囲って、断熱するのだそうです。
また、生成物のひとつ、液肥の使い道として、水耕栽培があります。水耕栽培とは、水と液肥と太陽光で植物を栽培する方法で、土を必要としません。その水耕栽培装置の作成もこの後予定されています。ひとまず現時点では右の写真のように実験をしています。右側は水だけで育てており、左側は液肥を入れた水耕栽培です。液肥の意義が一目瞭然ですね。
次は、寒くなってから訪れたいと思います。