モニターさんと一緒に実施した「できるだけ捨てない整理収納」の取組報告

モニターさんと一緒に実施した「できるだけ捨てない整理収納」の取組報告

 京都市ごみ減量推進会議(ごみ減)では、平成27年度,「できるだけ捨てない整理収納」にトライしてもらうモニターを募集しました。モニター宅に整理収納コンサルタント森下真紀さんとごみ減スタッフが訪問し、整理収納作業を行い,整理作業で出た不要品のもらい手さがしを実施してもらうものです。その経験を今後の「ストックごみ対策」の参考情報として活用することを目的として実施しました。

■報告概要
 以下の構成で本事業を紹介します。
 1.事業の概要
 2.モニターAさん宅での整理収納作業
  ◇ 整理収納作業の報告
  ◇ Before & After
 3.Aさん宅から出た不要品
 4.不要品のもらい手さがしの経験
 5.わかったことと,課題

1.事業の概要

 ◇平成27年10月,整理収納モニターを募集。
 ◇市内在住のAさん(50歳代,女性)が応募。Aさん宅で一連の作業を実施することを決定。
 ◇12月25日,整理作業。不要品等を搬出。
 ◇12月26日,不要品をスタジオに搬入のうえ撮影。
  撮影後,廃棄せざるを得ないものは,京都市の処分場で廃棄。
 ◇12月27日,収納作業。片付いた部屋を撮影。
 ◇平成28年1月,リユース可能な物品のもらい手さがしを実施。

2.モニターAさん宅での整理収納作業

 ◇整理収納作業の報告
まず、モニターさん宅の見取り図を紹介します。モニターさん宅は3階建てで、玄関は2階にあります。
図の説明図1

 整理収納作業の対象としたのは3階で、この階の間取りは図2の通り。
画像の説明文図2

 整理作業前の3階の様子。
画像の説明文図3

整理収納コンサルタントさんからのアドバイス1
画像の説明文図4

○行動動線と収納について
画像の説明文図5

整理収納作業の対象とした3階の仕上がりイメージ
画像の説明文図6

○整理収納コンサルタントさんからのアドバイス2(クローゼット付近の収納作業で…)
画像の説明文図7

○整理収納コンサルタントさんからのアドバイス3(文具や書類などの収納作業で…)
画像の説明文図8

◇ Before & After
 整理収納作業を終え、使いやすくきれいに片付いたモニターさん宅3階を紹介します。
画像の説明文図9

画像の説明文図10

画像の説明文図11

画像の説明文図12

画像の説明文図13

画像の説明文図14

画像の説明文図15

3.Aさん宅から出た不要品

写真に撮ったこれだけの物品が、今回Aさん宅から不要品として排出されました。
画像の説明文図16

ただし,不要品全てをごみにしたわけではありません。不要品のうち,下のものは,もらい手を見つけました。
画像の説明文図17

衣紋掛けは、Aさんの知り合いに引き取ってもらいました。
衣料品10数点は、リユースショップで売却しました。
座卓,姿見,マガジンラック,ランドリーバスケット,キッチンバスケット,キャンドルホルダー,テニスラケット,以上8点は、「ゆずります・もらいます」ネット掲示版に出品しました。
段ボール・古紙は、古紙リサイクルに出しました。
画像の説明文図18

4.不要品のもらい手さがしの経験

◇リユースショップへの持ち込み,買取依頼
画像の説明文図19

・リユースショップで,古着を売る時のポイント
 伏見区ザッカパッカー伏見店での取材より。
 夏物,冬物の売り時と,「状態の良い衣類」の定義(下記の該当がないもの)
画像の説明文図20

古着を売る時のポイント 前記店の取材から
画像の説明文図21

◇ネットの「ゆずります・もらいます掲示板」への出品
 今回「ジモティ」というネット掲示板を利用しました。市町村単位の地元情報が掲載されているうえ,カテゴリーも多岐にわたり,無料から出品があります。
 出品物はすべて「0円」で出品したので,すべての品に対して,「ください」の連絡がありました。ただし,こちらから「差し上げます」の連絡を入れた後,返信のない人もありました。
 これについて,ネット掲示板をよく使う人から「0円でなく,少額でも価格をつけた方がよい。それでも欲しい人が応募してくるので,無責任な対応は少ないはず。そのうえで引き渡し時に『代金は結構です。』などとする手もある」旨のアドバイスをいただきました。
 「ジモティ」では,匿名でのやり取りが基本で,メールで応募や返信をしても,自動的に匿名アドレスになるなどの工夫がされています。
 また,「自宅まで取りに来られるのはイヤ」という人のために,駅などで待ち合わせてお渡しするという方法を推奨しています。
 今回は「京都市ごみ減量推進会議」の名前,出品理由(取組の概要),受け渡し場所が京エコロジーセンター内のごみ減事務局であることなどを明記しました。連絡があった人に,そのことについて尋ねると,ほとんどの人から,「安心できた」との返答をもらいました。

◇フリーマーケットに出店するなら
京都市ごみ減量推進会議が作成したまとめサイト「捨てずに片付く,もらい手見つける,京都の情報〈http://matome.naver.jp/odai/2144256306166264001〉」には,京都市内で開催されるフリーマーケット等の情報をまとめて掲載しています。
画像の説明文図22

画像の説明文図23

◇修理が必要なものは
修理をすれば使えるものは,直して引き続き利用してください。京都市ごみ減量推進会議が運営する「京もお直し屋さんサイト・もっぺん〈http://www.moppen-kyoto.com/〉」には,京都市内約200店の修理屋さん情報が掲載されています。直したいもの,所在地別に検索することができます。
画像の説明文図24

5.わかったことと 課題

 今回の一連の作業で,わかったことやストックごみ対策を考える場合の課題などをまとめます。

◇整理収納作業でわかったこと,課題
≪わかったこと≫
整理作業では,クライアントの希望を叶えることが大切。それにそって行動動線を考え,部屋ごとに用途を明確にする。
収納作業は,「どこかにしまい込む」のではなく,「きれいに片付いた」だけでもいけない。様々なものが機能的に使えるようにしないといけない。
≪課題≫
 今回,私たちは「できるだけ捨てない」を根幹に置いて作業をしたが,このコンセプトを他の整理収納アドバイザーに効果的に広める必要がある。
 →次年度以降,整理収納アドバイザー向けの情報発信の中で今回の取組で得た経験を利活用する。

◇もらい手さがしでわかったこと
≪わかったこと≫
・リユースショップに持ち込む場合
 最近ではリユースショップ側も,新しいもの,破損や汚れのないものを求める。
 衣料品のうち,特に季節商品は,持ち込む時期の考慮が必要。
・ネット掲示板への出品
 多くのネット掲示板があり,すでに多くの人が利用している。
 利用者の匿名性の担保など,ネット掲示板側も工夫をしている。
 公的な機関・団体が間に入ると,より利用しやすくなる。
・フリーマーケットの利用
 申込から開催日まで日数があるので,計画的な利用が必要。

◇高齢者のストックごみ対策としてわかったこと,課題
≪わかったこと≫
 今回のモニターは50歳代で,高齢者とは言えないが,ストックごみ(将来何かのきっかけで放出される潜在的なごみ)を蓄積している高齢者の場合,ネットが利用できない人や,リユースショップが引き取りそうにない年数の経った物品をためている人が多いと思われる。また,体力的な面などで,単独ではフリーマーケットへの出品も難しいと思われる。
≪課題≫
 今回の取組では,ごみ減が間に入り,ネット掲示板への出品をした。そのことで申込者も安心して利用できたという。業務量の増大もあり,これを恒常的に続けることはできないが,何らかの支援によって,ストックごみの発生(蓄積)抑制に寄与することができると思われる。

画像の説明文図25 
以上

ごみ減のサイト

ページの先頭へ戻る