報告「コンパクトライフで,ごみ減量」KBS京都ラジオでのトーク 第6回ゲスト 松石三重子さん

画像の説明文
【森谷威夫のお世話になります!!】の番組内コーナーとして放送

コンパクトライフで,ごみ減量
第6回 2016年2月9日(火)12:22頃~

出演者 松石三重子(まついし・みえこ)さん
(日本茶インストラクター,宇治茶伝道師/NPO法人和束ティーフレンズ理事長)

■タイトルコールと提供クレジット
森谷「コンパクトライフで,ごみ減量」
對馬「このコーナーは,京都市ごみ減量推進会議の提供でお送りします。」

■番組の紹介,ゲストの登場
森谷「モノとのつきあい方を見直し,限られたもので豊かに暮らす暮らし方を『コンパクトライフ』と名付け,コンパクトライフに取り組んでいらっしゃる方々に登場いただくコーナー。今日はどんな方ですか。」
對馬「はい,お茶の里,お茶の産地京都府和束町から,日本茶インストラクター,宇治茶伝道師の松石三重子さんにお越しいただきました。」
森谷「こんにちは。」
松石「はい,こんにちは。」
對馬「こんにちは。」
松石「よろしくお願いいたします。」
森谷「よろしくお願いいたします。」
對馬「よろしくお願いします。」

■日本茶インストラクターって,どんな人?
森谷「日本茶インストラクターなんですね。」
松石「はい,そうでございます。」
森谷「簡単に言うと,お茶の美味しさを伝えるということですか。」
松石「はい,日本茶インストラクターと申しますのは,今ほとんどペットボトルのお茶が,お茶と思われている昨今でございますので。」
森谷「はい。」
松石「急須で,また茶筅でお茶を,ということを皆さま方に知っていただくような活動をするのが日本茶インストラクターでございます。」

■本物のお茶をいただく
森谷「なるほど。その松石さんに淹れていただいたお茶がありますので,いただいていいですか。」
松石「はい,どうぞお飲みください。」
森谷「日本酒のお猪口ぐらいの大きさのね。」
松石「はい,そうなんです。どうぞ。」
對馬「いただきます。」
森谷「まず,もう香りがいいわ。」
松石「うれしいです。香りを嗅いでいただいて,ちょっと口に含んで飲んでいただけたら,旨み成分が感じていただけると思います。」
森谷「紅茶とまた違う,この日本茶の香りですよね。」
對馬「おいしい。」
松石「うれしいです。ありがとうございます。」
對馬「濃い」
松石「お茶の美味しさはね,喉で感じていただけたらうれしいです。」
對馬「旨みがすごい」
森谷「旨みとおっしゃいましたけど,これはゴクッて飲むのがもったいないですよね。」
松石「ありがとうございます。」
森谷「はあ,おいしい」
對馬「おいしい」
松石「日本茶にもこのようなおいしさがあるということを知っていただきたいですね。」
對馬「これが日本茶の味ですね。」

■煎茶でも,こんなにおいしい!
森谷「僕もあんまり分かってないんですけど,これは玉露という高級なお茶ですか。」
松石「いや,これは普通煎茶です。」
森谷「え,煎茶で淹れてるんですか。」
對馬「これ煎茶ですか。」
松石「はい。」
森谷「煎茶でこんなに旨みが出るんですか。」
松石「はい,玉露でしたらもっと素晴らしいです。いちおう一般的な煎茶なんですよ。淹れ方でね。」
森谷「淹れ方でこんなおいしさになるんですか。飲んだ後にドンドン追いかけてくる深みがありますよ。」
松石「ありがとうございます。」
森谷「はあ」
松石「ちょっと玉露風味に入れてみたんです。玉露風味に,温度を低くして」
森谷「お茶を淹れる時のお湯の温度が,玉露はかなり低いんですよね。」
松石「体温と同じくらいな温度で淹れますのでね。」
森谷「じわぁ~と出てくるのが玉露ですけれど」
松石「煎茶もやっぱり美味しい成分たくさんもっておりますので,今日はちょっと玉露風味に淹れてみました。」

■茶源郷 和束町の美しい景観
森谷「ははぁ,なるほどね。松石さんが今お住まいのところが和束(わづか)町。京都府でみますと南の端の方になりますけれども。お茶どころとして有名で,今もお茶を世界へ…ということで注目されている町ですよね。」
松石「ありがとうございます。」
森谷「茶源郷(ちゃげんきょう)なんていわれる,桃源郷ならぬ」
松石「そうなんです。」
森谷「ここにその茶畑の写真が,これが日本の,京都府内の町ですよ。段々畑になってる」
松石「段々畑になっておりましてね。」
森谷「遠目に見ると非常にきれいな模様のようになっているんですね。」
松石「きれいなのはきれいですが,作業は大変でございます。」
森谷「大変ね。まずここを上がるのも大変そうだ。」
松石「上がるのも大変,歩くのも大変」
森谷「歩くのも大変。ただ僕も,学生時代にお茶摘みのアルバイトで宇治田原に行ってたんですけど。こういった感じの風景が宇治田原にもありますが。」
松石「宇治田原もいいお茶を生産されておりますので。」
森谷「作業はたいへんやけど,やっぱり極上なのは,昼ちょっと休憩したりする時に……ちょうどいい時期に僕行っているんで,お茶摘みの時期やから,空気がおいしいし,風が心地よい中で,お茶もらって,ほわあ~としたら,自然って最高と思える場所ですよね。」
松石「はい,最高ですが,生活するのは大変でございます。」

■自分でお茶を淹れることの大切さ
森谷「そこで生活をされている松石さんにお越しいただいているわけですけれども。もう一回あらためて。日本茶インストラクター,宇治茶伝道師の活動とはどのようなものですか。さっきおしゃったペットボトルがお茶だと思ってる若い人が増えてきている中,急須であったり,ちゃんとお茶を淹れることで,おいしさを伝えたいということなんですね。」
松石「そうなんです。先般,小学校5年生の家庭科の授業で「煎茶の淹れ方実技体験。」をさせていただきましたが,児童の大半はお茶といえば,ペットボトルがお茶,冷蔵庫を開けたら出てくるのがお茶と思っておるのですね。ほとんどがそうですね。」
森谷「急須に茶葉入れて,お湯入れてちょっとおいて,とか,全然そんな感覚が…」
松石「全然ないですね。やっぱり私たちインストラクターとしては,先ほど申しましたように日本の伝統文化ともいえるお茶は,急須や茶筅で日常茶飯事にお茶を飲んでいただくような活動をしています。」
森谷「今,さらっと日常茶飯事といいましたが,お茶と飯,日本人に欠かせないもののセットですものね。」
松石「また私,大きいことを言うてるんですが,日本の歴史と文化は京都から,お茶からと,そのように思っていろんなところでそういった話をしておりましたら,2012年には京都府から,「しかたがない,宇治茶伝道師に任命したろう。」ということで,宇治茶伝道師に任命していただいて,いちおう日本茶インストラクター,宇治茶伝道師というような形で活動さしていただいております。」

■お茶を淹れる「間」がつくりだす効果・効能
森谷「やっぱり伝わる中で,茶道(さどう)・茶道(ちゃどう)ありますけど,たしなみ,教養であるとか,そういう伝統的なことって,これももちろん大事なことで繋いでいかなければいけないことですけど,各家庭で楽しむお茶って,これもやっぱりなくしちゃだめですよね。」
松石「これは一番大事と思います。こんな言うたらなんですけども,ちょっとお茶を淹れるこの「間(ま)」。間にね,やっぱり家族で対話,お話,そういう間がね,今ちょっと薄れてきてると思うんです。お家でちょっとお茶の間に対話をする。また小さいお子様にも対話の訓練を今しといてやっていただけたら,15,16歳になったときに問題行動を起こす前に,ご両親やお家の方にお話しができると思うんです。やっぱり対話の訓練ができてないのに,何を思ってるのわからへん,親に喋らないっていうのはちょっと酷です。だから,対話の訓練をこのお茶で幼いうちからしていただけたらうれしいなあと思っております。」
森谷「生活のその変化で,ごはん食べる時,テレビ見ながら食べたりとかね。それも一緒に『いただきます』,『ごちそうさま』するんじゃなくて。みんな塾だ,なんだあるとはいえ,ぱっと来て食べて,ぱっと出ていくみたいに,なんとなく時間差で皆がばらばら食べてるとか……。昔だったら一緒に食べて,食べ終わった後お茶でも淹れようと言うて,そこからテレビついてようが,何しようがね。お母さんがお茶淹れてくれながら,お父さんと話したり,前に子どもがいるみたいな。そういう時間があった,というのがありますよね。それがお茶なんですよね。」
松石「一日一回お忙しいとは思うんですが,お母さんが,お父さんが,お家の方誰かが,目を見ながら,顔を見ながら,お茶を淹れてあげていただけたらうれしいなと思っております。」

■ペットボトルごみも減る,茶殻ごみだって減らせる!
森谷「『コンパクトライフで,ごみ減量』とタイトルにあるとおり,お茶を,というところからも,ごみの量が減るというのもあるんですよね。」
松石「ペットボトルが今たくさん出ております。リサイクルするには手間とエネルギーがかかると聞いております。またそれが不要になるというのは大きいと思います。そしてまた,茶の葉から淹れたお茶とペットボトルのお茶の値段は,湯呑1杯分で比べますと,茶の葉から淹れた方が値段は10分の1になるともいわれております。一日1本ペットボトルのお茶を飲む人なら,1か月でおよそ3000円ほど節約できるようにも聞いております。」
森谷「確かにそういう部分あるな。ごみも減らすし,経済的だし,しかもお茶を入れ,急須でそそぎますけど,入れ終わった後の茶葉もごみにはならないというか,いろいろあるんですってね。」
松石「はい,茶殻ですね。今日,茶殻をちょっと用意させていただきました。」
森谷「小鉢に入れていただきました。」
松石「小鉢に入れときました。ちょっと食べてみてください。」
對馬「食べる…?」
森谷「食べるんですか?」
松石「はい,ちょっと食べていただけたらどうかな。」
對馬「茶葉を食べる?」
森谷「しゃーない。放送やから食べなあかんわな。」
松石「すんません。ちょっと食べてみてください。」
森谷「めちゃめちゃおいしいやないですか,これ」
松石「ありがとうございます。」
森谷「お漬物やないですか,これ。」
對馬「これおいしい。」
森谷「何これ,何しゃはったんですか,これ。」
松石「いやいや,普通の茶殻にちょっとポン酢をかけただけでございます。この茶殻におじゃこをのせていただきますとカルシウムが摂取できますし,またこの茶殻を白いごはんにまぶしていただきますと茶飯になります。好みで黒いごま塩なんかをふっていただきましたら色彩も色合いもきれいですしね。またこの茶殻,チャーハンとか,餃子の具にもなるんですよ。」
森谷「なる…」
對馬「おいしい。」
森谷「ちょっとポン酢たらしただけですか。」
松石「はい,そうなんです。」
對馬「今までもったいないことしてきたと思わへん?」
森谷「思う。」
對馬「捨ててましたよね。」

■茶殻の効能
森谷「しかも,お茶はカテキンだ,なんだとか健康のいろんなパワーがありますけど,お茶で抽出できますけど,残った茶殻にもたっぷりと栄養がありますよね。」
松石「はい,ビタミンAやビタミンEは実はお茶に溶けないんです。茶葉に残るんです。」
對馬「なんと,茶葉って美容に良さそうですね。」
松石「對馬(つしま)さん,明日お肌きれいになってますよ。」
對馬「これ全部食べとこ。私はこれから茶葉を捨てません。」
松石「お肌にいいんですよ。」
對馬「ふーん。」
松石「そしてまた,この茶殻を乾燥させて,ガーゼやストッキングにくるんで冷蔵庫,または衣装ケース,押し入れや下駄箱,靴の中に入れていただきますと,抗菌や脱臭の作用にもなります。」
森谷「なるほど。食べられるし,臭い消しとかそういうのにも使えるし,すごいね。」
對馬「お茶すごいね。」
森谷「無駄がないわ。」
松石「はい,そうでございます。ほかす(捨てる)ところがございません。」

■心が渇いたときは急須や茶筅でお茶をどうぞ
森谷「お茶といえば,最初におしゃっていたように,ペットボトルと思いがちな子どもたちが増えてきている。やっぱり本来の生活スタイルを取り戻すといろんな時間的な心の部分からなにから,変わっていくということですよね。」
松石「そうですね。」
森谷「京都ではおいしいお茶が,この和束町をはじめ,採れる場所です。産地の方々は,大変な思いをして育てて,収穫して,これを茶葉にするには苦労もあるのです。その苦労なんかも思いを馳せていただくと,この番組の主旨の『限られたもので豊かに暮らす』というコンパクトライフに繋がると思います。美味しくお茶をいただき,しかもごみも少なく財布にも優しい,そんな暮らしのお話をということで,日本茶インストラクターであり,宇治茶伝道師でもいらっしゃいます松石三重子さんに,今日はいろんなお話をいただきました。最後に,お茶をいれる時に,今日,煎茶ですけど,こんな玉露のような風味でいただきました。これ,ちょっと温度を低めにして淹れたというお話でしたけれど,普段の生活でも,煎茶ひとつとってもおいしく入れるポイントを最後に教えてもらっていいですか。」
松石「お茶の葉の量,お湯の量,お湯の温度,またエキスの成分の出る浸出時間がぴったりと合いますと,やっぱりおいしいです。私たちにインストラクターは,このようなことを言ってるんです。『喉が渇いたときはお水やペットボトルのお茶で十分ですが,心が渇いたときは急須や茶筅でお茶をどうぞ』と言っております。」
森谷・對馬(拍手)
森谷「いやあ,確かに,本当そう。心の渇きを……はあ,今日のお話聞けば十分よく分かりますものね。ぜひお家で,急須で,お茶をおいしく召し上がっていただきたいと思います。松石さんどうもありがとうございました。」
松石「ありがとうございました。」
對馬「ありがとうございました。」

以上

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