報告「コンパクトライフで,ごみ減量」KBS京都ラジオでのトーク 第1回ゲスト大関はるかさん

画像の説明文
【森谷威夫のお世話になります!!】の番組内コーナーとして放送

コンパクトライフで,ごみ減量
第1回 11月3日(火)12:22頃~

出演者 大関はるか(おおぜき・はるか)さん
(有限会社ひのでやエコライフ研究所)
聞き手 森谷威夫,對馬京子

■タイトルコールと提供クレジット
森谷「コンパクトライフで,ごみ減量」
對馬「このコーナーは,京都市ごみ減量推進会議の提供でお送りします。」

森谷「さあ,今週からですね,4週にわたりまして,毎週火曜日のこの時間にお送りしていく『コンパクトライフで,ごみ減量』。どういうコーナーかということを對馬(つしま)京子さんから教えてもらえますか。」
對馬「そうですね。今の世の中,多くのモノを買っては捨てる暮らしが当たり前になってきている。そんな感じがしますよね。
そんな中,モノとのつきあい方を見直して,限られたもので豊かに暮らす人たちもおられます。このコーナーでは,そんな暮らし方を『コンパクトライフ』と名付けまして,京都のまち中で,コンパクトライフに取り組んでいる方にご登場いただいて話を聞いていこうということですね。」
森谷「コンパクトライフね。今,京都のまちなかでも若い人の中からそういった動きが生まれてきているんですよね。」
對馬「そうですよね。いろんな話を聞いて参考にしたいですよね。」

森谷「このコーナーは京都市ごみ減量推進会議がスポンサーですが,この京都市ごみ減量推進会議はどういう団体ですか。」
對馬「はい。京都市ごみ減量推進会議,通称「ごみ減」と呼ばれていますが,市民,企業,京都市が協力してごみを減らしていこうといる団体で,今年で設立から19年になります。今回は,”豊かで,ごみも少ない”そんなライフスタイルを広めたいとの思いでこのコーナーを提供いただきました。」

森谷「では,記念すべき第1回目のゲストの方にご登場をいただきましょう。」
對馬「はい,ご紹介します。ひのでやエコライフ研究所の大関はるかさんです。こんにちは。」
大関「こんにちは。」
森谷「よろしくお願いします。」
大関「お願いします。」
森谷「おしゃれな方ですね。」
對馬「おしゃれですね。」

森谷「大関さんは,ひのでやエコライフ研究所にご所属ですが,どんなことしたはるとこですか。」
大関「ひのでやエコライフ研究所では,名前の通り,エコライフについて日々考え提案しています。例えば,省エネ,エネルギーを減らすことや,ごみ減量に関することの情報をたくさん集めて,整理して,蓄積して,また発信していくのが主な仕事です。メンバーそれぞれいろんな専門性があるのですが,私自身は地域の方とご一緒することが多いです。京都には学区がありますが,今,学区の中でどんなエコができるかを話し合ったりする『エコ学区』というのがあって,そんなところに行って一緒に考えたりするのが仕事になります。」
森谷「できることを一緒にやっていったり…」
大関「そうです,そうです。」

森谷「大関さん自身はKBSの近く,上京区にお住まいなんですね。」
大関「はい,今,上京区に住んでいます。」
森谷「この辺りは昔からの町並みがあるんですが,そんな中で新しい動きが生まれてきてるんですってね。」
大関「そうですね。上京区って“コアな京都”のイメージがあると思うんですが,そんな濃いところに住みたいという人がわりと多いな,と。私の周りでもいるんですけれども。そんな若い世代と,あとおもしろいことをやっている場所が結構出てきているんですね。そんなところがあるので,加えてもともと住んでらっしゃる地域の方,お年寄りも含めて,いろんな人たちをつないで,何かおもしろいエコなイベントができればいいなと思って,いろいろやってきています。」

森谷「もともとずっと住んでらっしゃる方で,もしかしたら“おばあちゃんの知恵”みたいな昔からのええものもたくさんあるやろうし,そこに京都の町とはゆかりのない若い人たちも入ってくる。でもやっぱりここに住もうという方やから,昔からの町家であったり,町並みを大切にしたい若者も多いわけですもんね。」
大関「そう思います。」
森谷「となると一緒にやっていける,おもしろいものが出てくるのでしょうね。」
大関「はい,そうです。」

森谷「どんなことしはったんですか。」
大関「今日はいくつかお伝えしたいのですが,まず一つは『フリーフリーマーケット』という服に関するイベントをしたんですね。フリーマーケットというのはよく聞くと思うのですが,その前にもう一つ“フリー”を付けたフリーフリーマーケットです。一個目のフリーの意味が,“無料で自由”。無料も自由も同じフリーだと思うんですが,簡単に言うと洋服の交換なんです。洋服って衣食住の一番最初にありますが,小さな赤ちゃんからお年寄りまで全員に関わることです。服の交換ということであれば,いろんな世代に関わってもらえると思って,『フリーフリーマーケット~捨てる神と拾う神~』というのを去年の1月に実施しました。」

森谷「なるほど。フリーマーケットって,自由に売買してもらう“フリー”ですが,そこにお金が発生しない無料の“フリー”が入って,フリーフリーマーケット。捨てる神,拾う神ね。捨てる服,拾う服ね。幸福の福もやってくる感じがしますもんね。」
大関「そうですね。ちょっと変わったところがいくつかありまして,まず,お金を使わないというのが一つポイントなんです。お金の代わりに言葉が必要。どういうことかというと,例えば,これを貰いたいと思ったら普通ならお金を払う。けれども,見てもらって『いいね』,『似合うね』と言ってもらえたら,持って帰れるというルールにしてるんです。」
對馬「わあ,楽しい。」

森谷「(服を)ちょっと前に当ててみたりして。」
大関「最初は知らない人と話すのにドキドキすると思うのですが,次第に,部屋の中そこかしこで笑い声が絶えなくなってくるんですよね。こんな服着ようと思ってなかったのに,みんなから,『似合うから』と乗せられて着てしまうとか。このままお茶に行こうよと,知らない人とお茶に行ってしまったとか。そういうコミュニケーションを大事にしたいなというのがあって,お金の代わりに言葉をもらうのです。」

對馬「服というのはいろんな思い出も一緒に詰まっていますもんね。どこで買ってもそうだし,その時どんな感じで,年代もあるし…」
大関「着物なんかも,地域のおばあさんが一生懸命会場まで持ってきてくださって。置いてすぐ帰っていいんですね。普通のフリーマーケットって,おばあさんとか出しにくいと思うんです。お店番が大変だと思うんです。」
森谷「自分が売るっていうのがね。」
大関「でもここは,持ってこられるなら持ってきてください。それでいいですよ,ということなので,わりとハードルが低いかなと思っています。ちょうど持ってこられた方と若い人が,その着物を何かに使いたいという会話が止まらないぐらい盛り上がったり…ということもありました。」
森谷「へー,おもしろいな。」

大関「そういうことがとても大切で,それは地域のつながりという意味でもそうなんですが,その人の思い出に残ると思うんですね。そうすると,次,服がいらなくなった時に,「捨ててしまおう」ではなくて,「誰かにあげられないかしら」という発想の転換につながるような,思い出深いイベントにしたいと思ってやっています。」
森谷「なるほどね。」

大関「もう一つ,おもしろい点を言っておくと,普通,服って,サイズごとに分けると思うんですが,ここでは色で分けてるんですよ。つまり,ピンクのセーターも,ピンクのスカートも,ピンクのジャケットもピンクのところに置くのです。」
森谷「林家ペー・パー子さん用の場所ですね。そこはピンクの品ばっかりが並んでる。」
大関「例えば,赤から始まって,きれいにグラデーションがあると。一回着た服って,ヘタしたらごみのように見えてしまうこともあると思うんですけれども,部屋中がアーティスティックというと大げさかな,でも,みんなでその部屋をつくっている感じになるので,それもみなさんの心に残るかなと思ってやっています。」
森谷「なるほどね。フリーマーケットというと,買って,売って,みたいな世界やけど,そうじゃなくて,ぜひ次の人に活用してほしいという服たちが並んでいる。それで,これが合う人に持って帰ってもらおう,ということですもんね。」

大関「はい。もう一つ,どうしても残ってしまう服というのがあるんですが,それを作り直す,リメイクするということもごみを減らす上では大切だと思っています。それでリメイクコーナーというのを作っています。例えば,セーターも,このへんが汚れてきたとか,毛玉ができたと思っても,すごく良い素材の場合があるじゃないですか。そしたら,胴の部分だけ切ってネックウォーマーに作り変えるとか…」
森谷「リペアね。」
大関「そうですね。リメイクですね。」
森谷「リメイク,リペア。」
對馬「リメイク,リペアをしてくれるのですか?」
大関「いえ,一緒にします。」
對馬「一緒にしようということ。ですよね。一人でなかなかできなくでも,おしゃべりしながらとか。」
森谷「教えてもらいながらね。」
大関「先生がいればできるので。」
對馬「それはいい。」
大関「それを去年の1月にやりました。」
森谷「なるほどね。」

大関「もう一つ別の例をお伝えしようと思うんですけど,それが今もお話に出ていたリメイク・リペアばかりを扱ったワークショップです。最初のフリーフリーマーケットの時もそうなんですが,この地域にいくつもあるおもしろい場所が会場になっていて,みなさん普段,気にはなるけれど,入っていない,入りにくいと思っていらっしゃる方も,このイベントの会場ということで気軽に来てもらえるようにしています。そのリメイク・リペアワークショップでは,服を,例えば,布草履に作り変えるとか,服だけではなく,金継ぎ工房があるので金継ぎをしてもらったりとか,壊れたおもちゃを子どもたちに持ってきてもらって直す,おもちゃの修理店をしたり……そんな風に地域にいらっしゃるプロの方たちにも入ってもらってやっています。」
森谷「また生き返らせる感じですよね。どうなんですか。今年もそうですし,来年に向けて,今度こんなことあるというものはありますか。今のを聴いていて,『そんなん私も行きたかったわ』『知らんかったわ』という方もおられるでしょうし。」

大関「ありがとうございます。どれも先ほどご紹介のあったごみ減の助成金をもらっているのですが,次は,来年の1月に上京区の室町学区の中で,道具の交換をします。フリーフリーマーケット1回目は洋服の交換だったんですが,今度は 道具と呼べるものならどんな道具でもいいので持ち寄っていただく催しです。」
森谷「ぱっと浮かぶのはフライパンとか,調理道具ね。」
大関「そうですね。日曜大工の,例えば,のこぎりとか金槌とかでもいいですし,書道の時の道具とか。」
森谷「ああ,硯(すずり)とかね。」
大関「編み棒とかでもいいですし。」
對馬「いっぱいありますね。」
森谷「いろんなね。もう道具というものであれば…」
大関「そうですね。」
森谷「持ち寄っていただこう,ということを来年1月にお考えなんですね。」
大関「そうです。」

森谷「大関さんのこの活動,試みというのは,最初にもご紹介しましたけれども,ひのでやエコライフ研究所,こちらのホームページにアクセスすると見られますか。」
大関「今お伝えしたのは室町学区とやっているので,室町学区の中にあるお店に立ち寄ってもらうと,チラシも置いていたりすると思います。」
森谷「そっか。ですので,室町学区にお住まいの方はそういうのを活用してもらいたいし,今,お聴きの方で,全然関係のない地域の皆さんがほとんどだと思うので,これをヒントにしていただいてね。ぜひ皆さんの地域でもこういった活動をやっていただきたいですよね。」
大関「はい,ぜひ。」

森谷「どうですか。改めてですが,ラジオをお聴きの皆さんに伝えたいなと思うことはありますか。」
大関「どのお宅にも,使わなくなってしまったけれどもまだ使えるもの,いつか使えるんじゃないかと思って溜め込んでいるモノってあると思うんですね。家財道具でも,お洋服でも。大事に大事にしているがために,結局ごみになってしまったという話も聞きます。修理して使うとか,誰か他の人に使ってもらうとか,いろんな方法があると思いますので,眠ったままの家財道具などは,新たな活用の機会を与えてやるほうが,道具や服,モノたちも喜ぶような気がしますし,人とのやりとりの中で,うれしいことって多いと思うんですね。本当に必要としている人が使ってくれるのがすごくうれしかったり,その中でつながりというものも広がっていくと思うので,ぜひ,ものをきっかけに,ごみにするのではなく,自分のつながりが増えていくような活動につなげていってくれたらいいなと。そんな思いでいます。」
森谷「本当ですね。修理する,リメイクする,そして,いらないとなっても別の方にとっては必要で,引き取り手を見つける。まさにコンパクトライフですね。」

森谷「来週は,[リコロン]という衣料品再生プロジェクトに取り組む,株式会社ひなや代表の伊豆蔵直人(いずくら・なおと)さんに,このスタジオにお越しいただく予定ですが,大関さんは伊豆蔵さんとも親しいというか,交流があるんですって。」
大関「はい。ちょうど最初のフリーフリーマーケットの時にご一緒させていただいて,それ以来仲良くしているんですけれども。実は,今日着てきているこの服,私のおばあちゃんの服なんですが,ひなやさんのリコロンで栗染めをさせてもらって,生き返らせたものなんです。」
森谷・對馬「へえー,すごい。」
大関「伊豆蔵さんは,すごく柔軟で,私たちのような若い者からのアイディアも参考にしてくれたり,どんどん新しいことをやっていかれる方なので,おもしろい話が聞けると思います。」

森谷「来週は,その株式会社ひなや代表の伊豆蔵直人さんに,お越しいただだいて,洋服の交換,染め直し,こういったリコロンの取組についてご紹介をただこうと思います。この時間は第1回のゲストということで,ひのでやエコライフ研究所の大関はるかさんにお越しをいただきまして,上京区の室町学区を中心に行われている活動についてお話しをいただきました。大関さん,どうもありがとうございました。」
對馬「ありがとうございました。」
大関「ありがとうございました。」

以上

ごみ減のサイト

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