ごみにまつわるこのすうじなぁに?

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情報誌表紙企画「ごみにまつわるこの数字なぁに?」。84号第19回目の数字は「年間13億トン」です。さてこちらは何の数字でしょうか?

こごみ日和84号(2020年6月末発行)
『このすうじなぁに?』

世界で発生している食品ごみの推計です。
FAO(国際連合食糧農業機関)が2011年に公表した報告書※1は、「世界の食料のロス、食料廃棄物は、推計で約13億トン発生している」と報告しています。内訳は、先進工業国で 6億7千万トン、発展途上国で 6億3千万トン発生しているとのことです。
人口の少ない先進国の方が、圧倒的に多くの人口を抱える途上国より多くの食品ごみを出していることにご注目ください。
同じくFAOの2014年の資料※2では以下のように報告されています。
「世界全体の食料のロス・廃棄量は、一次産品換算で16 億トン、食料の可食部に換算すると13 億トン。つまり食べ物ごみ全体で16憶トン。「食べることができるのに、捨てられている食品(食品ロス)」だけで13憶トンになります。
これに対し、 世界の農産物の総生産量(食用・非食用)は約 60 億トン。水産物(漁獲量約2憶トン※3)や畜産物(牛、豚、鶏肉のみの合計。約3億トン※4)も含めて約65憶トン。そのうち、ほぼ2割の食べ物を「食べることができるのに、捨てている」わけです。
もうひとつ情報提供します。食べ物ごみ(食べられなくなって捨てられたものも含みます)が、生産から消費まで、どの段階で発生しているかですが、途上国では約4割が、収穫から加工・保管の段階で発生しています。原因として考えられるのは、効率的な収穫技術の不足、冷蔵保管施設・輸送手段など社会インフラの未整備が考えられます。
これに対して、先進国では約4割が小売・消費の段階から発生しています。原因として消費者のライフスタイルや商慣習が大きく影響していると考えられます。物流の下流(消費者の近く)で廃棄が発生するほど、燃料・労働力・資本の損失も大きくなります(それまでにかけた手間が大きい)。それだけCO2の排出も大きくなります。

出典
※1  FAO(国際連合食糧農業機関)「世界の食料ロスと食料廃棄」(JAICAF,2011)」から
2011年5月16日から17日にかけて、ドイツ・デュッセルドルフで開催された国際会議SAVE FOOD!(Interpack 2011内で開催)のために、 FAO(国際連合食糧農業機関)が実施した調査研究報告「Global food losses and food waste-Extent(causes and prevention) .Rome,FAO(2011)」による。
 同報告書はFAOがスウェーデン食品・生命工学研究機構(Swedish Institute for Food and Biotechnology、SIK)に依頼し、2010年8月から2011年1月にかけて実施した調査に基づく。上記は、同報告書の日本語版から引用。
※2 FAO「世界の農林水産summer2014」から
※3 グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイト「世界の水産物の漁獲量・生産量 国別ランキング・推移」から(データは2018年)
https://www.globalnote.jp/post-6999.html  2020年7月10日閲覧
※4 独立行政法人農畜産業振興機構「絵で見る世界の畜産物需給 畜産の情報 2019年1月号」より(牛肉、豚肉、鶏肉の合計、データは2017年)
https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000444.html  2020年7月10日閲覧

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