ごみ減活動レポート 企業向けごみ減量実践講座「ゼロエミッションに取り組む関西電力 舞鶴発電所見学」
11月18日(火)関西電力 舞鶴発電所の見学を行いました。現在、電力供給の中心的役割を担っている火力発電。その中でも、関西電力舞鶴発電所は、平成16年に運転を開始した新しい発電所で、石炭火力の低炭素化を図るために、発電設備の高効率化に加え、バイオマス資源である木質ペレットの混焼や発電に伴い発生する灰を有効に活用するゼロエミッションの取組が行われています。
敷地に入って、初めに施設の大まかな説明をいただきました。敷地の一部が若狭湾国定公園内にある施設ということで、地形を利用して必要最小限の開発に止め、開発後も可能な限り緑地を保存することで、環境への負荷が最小限になるよう努めたことを伺いました。また、発電の際に発生する石炭灰や、石炭に混ぜて使われている木質ペレットの現物を見せていただきました。石炭灰は全量セメント会社にて再利用されており、木質ペレットは年間約6万トン使用され、石炭消費量を約4万トン(CO2排出量にして約9.2万トン)削減しているとのことでした。
説明の後、バスに乗っていよいよ施設見学へ。野積みに比べ、コンパクトかつ安全に保管できる「石炭サイロ」、「バイオマスサイロ」、船で運ばれてきた燃料を陸揚げしてコンベアに運ぶ「揚炭機」、発電の心臓部分である中央制御室や、バスがすっぽり入る太さの「煙道」、環境対策設備により処理された燃焼ガスを大気中に戻すための200mの「煙突」など、丁寧に説明していただきながら見学しました。
それぞれの施設は巨大ですが、自然との調和を図った色合いにペイントされているため威圧感があまり無く、また敷地内はとても美しく整備されているというのが、多くの参加者の印象でした。
質疑応答では、冷却に使用され再び海に放水される大量の海水や煙突から空へ戻される燃焼ガスの“熱エネルギー”の有効活用を期待する声、バイオマス燃料の木質ペレットが全て輸入である現実について、国内で安定的に供給できる仕組みの研究等に期待する声などがありました。
行き帰りの車中で、参加者の意見交換を行い、いろいろな考え方に触れられたことも大変有意義でした。パンフレットやウェブサイトでも概要を知ることはできますが、その迫力は実際に行ってみて初めてわかる気がします。さらに、参加者が自分で見てきたことを周りの人にも伝えることで、電気の使い方や環境への負荷について多くの人が考えるきっかけになることと思います。
※今回の見学は、関西電力の協力を得て、特別に実施したものです。
(講座小委員会委員)
今回訪問した企業
<関西電力株式会社> http://www.kepco.co.jp