ごみにまつわるこの数字なぁに? 海外リサイクル率40%
会報誌表紙企画「ごみにまつわるこの数字なぁに?」第14回目の数字は「海外リサイクル率40%」です。ヒントは「前回に引き続き話題のアレ」です。
■こたえは…
実はこの数字ペットボトルの海外リサイクルの割合を表しています。
下のグラフは,日本国内で消費されたペットボトルの行き先を示したものです。青い部分と赤い部分はリサイクルされたものを表しています※1。
うち青い部分は国内でリサイクルされたものです。京都市をはじめ行政が資源ごみとして回収したものは,その大部分が国内でリサイクルされています。一方赤い部分は海外に運ばれ,リサイクルルされたもので,全リサイクル量の40%以上,重量にして20万トン以上が毎年海外に移出されていました。
「いました。」と過去形で書いたのは,昨年(2017年)7月,日本をはじめ,世界最大の資源ごみ受入国だった中国政府が,その年の年末をもって,海外からのペットボトルを含む廃プラスチック,古紙,廃電子機器等の輸入停止を宣言。今年(2018年)になってこの処置は実行されました。
これまで,「どこでリサイクルされても,リサイクルされていることに違いない」「日本の廃ペットボトルはきれいで海外は喜んで買っている」という人もいました。今年になって,こんな呑気なことは言っていられなくなりました。行き場を失った資源ごみの多くが,今度は東南アジアのタイに大量に持ち込まれるようになり,今年6月,そのタイが海外からの資源ごみの輸入禁止を宣言しました。各地の港に,行き先のない回収ペットボトルが積みあがっている様子を,今年に入り様々なメディアが取り上げているので,ご覧になった方もあると思います。
「日本の廃ペットボトルはきれいで海外は喜んで買っている」についても記しておきます。赤い部分(海外リサイクル)の大部分は自販機横や駅の回収箱などから,「事業系回収」によって集められたものです※2。洗っていないものやラベルをはかしていないものが相当入っていたはずで,決してきれいなものばかりを海外輸出していたわけではありません。
ではどうすればよいのでしょう。もっとリサイクルの体制を強化すべし,リサイクル品の需要を増やすべき,という人もいるでしょう。それが難しいから,このような状況になっていると考えられます。近年のペットボトル(特に飲料)の増え方を振り返り,「今こそ,リサイクルよりリデュース」,元から減らすことを真剣に考えるべきではないでしょうか。
京都市ごみ減量推進会議は,ペットボトル飲料の中で近年消費拡大が著しい緑茶飲料に注目し,「リーフ茶の普及で,ペットボトルを減らそうキャンペーン」に取り組んでいます。http://kyoto-leaftea.net/
※1及び※2 PETボトルリサイクル推進協議会 統計データ リサイクル率の算出より