ごみにまつわるこの数字なぁに? 46.4%
会報誌表紙企画「ごみにまつわるこの数字なぁに?」第10回目の数字は「46.4%」です。ヒントは「72号のこの数字なぁに?とつながりがあるお話」です。
■こたえは…
海外持ち出しペットボトルリサイクル率
「46.4%」が何の数字かといいますと,海外でリサイクルされているペットボトルの率です。
PETボトルリサイクル推進協議会(東京都中央区)が公表しているデータによれば※1,2015年度,日本国内で回収されリサイクルされたペットボトルは48万9千トン※2。このうち国内でリサイクルされた分は26万2千トンですが,海外に持ち出されリサイクルされたペットボトルは22万7千トン。
「海外でリサイクル!」と驚かれた方もあると思います。そうなのです。「リサイクルされているペットボトル」の半分近くが,海外の工業原料として活用されているのです。しかもこの数字,2014年度は42.3%(19万9千トン)でしたので,1年で4パーセント,重量で3万トン近くも増えているのです。
「どこでリサイクルされてもいいじゃない」なんてものじゃない
中には,「どこでリサイクルされてもいいじゃないか」や,「それだけ日本で回収されたペットボトルがきれいで価値があるんだ」という人もいます。しかし現在日本から,廃ペットボトルを輸入している国(おもに中国)が,何らかの事情で,「もう日本から廃ペットボトルは輸入しない」となったら,20万トン以上の廃ペットボトルが行き場を失います。
今年7月,心配なニュースが入ってきました。中国環境保護部が、年末までに廃プラスチック、未分解の紙など24種のごみ輸入を禁止する禁止令を設けると発表しました。中国に最も多くのごみ輸出をしているのは香港で,次いで日本とアメリカ。このニュースは日本にも大きな関わりがあります。経済発展した中国では人々の環境意識も高まっています。いつまでも「ごみではない資源を輸出しているんだ」と言い張ることはできないでしょう。
もっとリサイクルを盛んに! いやそれよりリデュースでしょ
では,今まで以上に国民みんながリサイクル製品を熱心に購入し,日本国内でのリサイクルを盛んにすればよいのでしょうか。それが難しいから海外でのリサイクルに頼ることになっています。「もっとリサイクルを盛んに」ではなく,本気でリデュースを考えないといけないところにきていると思います。
以上
参考 「どうして『ペットボトルを減らそう』なの?」京都市ごみご減量推進会議
http://kyoto-leaftea.net/why2/
※1 PETボトルリサイクル推進協議会>統計データ> リサイクル率の算出
http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/calculate.html 2017年8月29日確認
※2 消費量は56万3千トン。出典は同上
※3 「中国、世界のゴミ捨て場を回避へ」Japanese.China.org.cn 207年8月29日確認
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2017-07/22/content_41260110.htm