ごみにまつわるこの数字なぁに? 20年で5.5倍増
会報誌表紙企画「ごみにまつわるこの数字なぁに?」第9回目の数字は「20年で5.5倍増」です。ヒントは「皆さんが、ついつい買ってしまうあるもの」です。
■こたえは…
実はこの数字、「ペットボトル入り緑茶」の消費量の変化を表しています。この20年,「不況だ」「デフレだ」などといわれた時代に,大きく伸びたのが「緑茶飲料」の消費。緑茶飲料とは缶容器,ペットボトル,紙パックなどの容器入り緑茶のこと。この緑茶飲料の中で,ペットボトル入り緑茶の占める割合は年々高くなり,2015年には95.5%※1になりました。つまり「緑茶飲料」のほとんどがペットボトル入り緑茶です。
さて,この緑茶飲料ですが,1985年に初めて発売されました。当初は缶入りでしたが,大きく消費が伸びたのは,1996年の小型ペットボトルの業界自主規制が解除されてから。以降2005年までの10年間に急増しました※2。その後の10年(2015年まで)はほぼ横ばいですが,1996年から2015年までの20年間で見た場合5.5倍に増えています。
一方,最近10年で茶葉(荒茶)の生産は約30%減っています。つまり「緑茶」に占めるペットボトル入り緑茶の割合が年々高くなり,その分,茶葉から茶を淹れる人が少なくなりました。今では「お茶の淹れ方を知らない」という人も見かけるようになりました。
暮らしのアウトソーシング化(自分で作らず,買ってきて済ます)が,ここにも深く進行しているわけです。京都市ごみ減が取り組んでいる「リーフ茶の普及で,ペットボトルを減らそうキャンペーン」にはこのような背景があります。
※1 「清涼飲料水関係統計資料」一般社団法人全国清涼飲料工業会より
※2 「清涼飲料水関係統計資料」一般社団法人全国清涼飲料工業会より
緑茶飲料の消費 1996年 478,000kl
2005年 2,648,000kl
2015年 2,611,700kl
参考:
一般社団法人 全国清涼飲料工業会http://www.j-sda.or.jp/