ごみにまつわるこの数字なぁに? 国連の食糧支援量の2倍(約632万トン)

国連の食糧支援量の2倍(約632万トン)

会報誌表紙企画「ごみにまつわるこの数字なぁに?」第5回目の数字は「国連の食糧支援量の2倍(約632万トン)」です。ヒントは「私たちが毎日、少なからず出している●●のごみの量」です。

■こたえは…なんと!
実は,日本国内で1年間に捨てられる食品ロスの量なのです!「食品ロス」は「食べられるはずなのに、捨てられてしまう食品」のことです。たとえば、売れ残ったお弁当や野菜、食べ残された料理など食品ごみのことです。平成25年度は、1年間に約632万トン捨てられています。


(農林水産省ウェブサイトより)    

実はこの量は、国際連合世界食糧計画(WFP)が行っている食糧支援の量である320万トン(平成26年)の約2倍にあたります。国際連合の食糧支援の量は毎年大きく変わりますが、いずれにしても、日本が捨てている食品ロスの量の方が圧倒的に多いことはわかっていただけると思います。ちなみに日本の米生産量は年間798万トン(平成27年産)、漁業生産量は467万トン(同じく平成27年産)になるため、これと比べても、捨てられる食品ロスの多さがよくわかっていただけるかもしれません。

■どこから捨てられているのか。
さてこの記事をお読みの方の中には「うちは、消費期限切れで食べ物を捨てることもないし、ましてや食べ残しだって捨てていない。ほとんど食品ロスを出していない。どこからそんなに大量に出ているんだ!」と感じている方もいらっしゃると思います。私もそう思います。
ではどこから捨てられているのか。632万トンは少し数字が大きすぎるので、これを1人1日あたりにしてみましょう。計算するとだいたい1人1日140グラムくらいになります。140グラムというと、コンビニのおにぎり1個より少し重いくらいという感じでしょう。さらにこれを1日の食事回数3食で割ると、1食あたり45グラムくらいになります。あれ?以外と身近な量になったと思いませんか?
45グラムというと、大さじ3杯です。腸内環境によい某乳酸菌飲料は1本65グラム入りです。あれより少ないということになります。
例えば「あーおなかいっぱい、付け合わせのトマト1切、もう食べられんわ。」という場合、それでもう20グラムくらいになります。2つ残せばほぼ45グラムです。「やきそばの紅ショウガが嫌い!」という方いらっしゃいますよね。これを残すとだいたい10グラムくらいになります。正直に話すと、私もやってしまったことがありますが、豆腐を食べ忘れて、1丁まるごと捨てたらもう大変です。1丁はだいたい300から400グラム。少なくとも1人2日分の食品ロスを1度で出してしまうことになります。

ほら、書いている私も632万トンに荷担している気がしてきました。
みなさん、まずは自分の食べ残しから気をつけましょう!

ちなみに家庭から出される分は632万トンの内、だいたい半分の302万トン。残りは、食品製造業・食品卸売業・食品小売業・外食産業などが出ている分になります。ひとりひとりのちょっとした行動で減らせます。一緒にがんばりましょう。

また原稿執筆中は公表されている平成24年度の数字を用いていましたが、その後、平成25年度の数字が発表されました。最新の数字はこちらをご覧ください。なお、平成25年度は少し減り632万トンになりました。まだまだたくさんの量ではありますが、少しでも減ってよかったです。
(会報誌ボランティア・齋藤友宣)
■出典
食品ロスの削減・食品廃棄物の発生抑制
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/
※食品ロスの量は、「食品ロスの現状(フロー図)」にあるPDFファイルに掲載されています。
国際連合世界食糧計画(WFP)の食糧支援量(2014年)
http://ja.wfp.org/sites/default/files/ja/file/2014_ann_rep_japanese.pdf
農林水産省/農林水産基本データ集
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/
食品のカロリー グラムのわかる写真館
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/gramphoto/index_gram.html
以上

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