スーパーのようきにへらそう!-お店の容器や包装お調べレポート!
スーパーなど小売店の売り場の現状を知り、減らせる可能性のあるものは何か、その実現のため、どのような条件をクリアする必要があるかなど、さまざまなことを明らかにする必要があります。
そこで、2011年5〜6月に京都市北区で「容器包装削減スーパーマーケット環境対策調査2011」を行いました。
北区で実施した理由は、レジ袋の無料配布中止(有料化)を実施しているスーパー(生協を含む)が、京都府内で最も多いこと(22店舗中10店)や、地域ごみ減量推進会議がほぼ全小学区に設立されていて、地域住民の協力が得やすいなどの条件があったからです。
一定広まったレジ袋の無料配布中止も、さらに多くの店や消費者の理解を得て広めていきたいと考えますし、レジ袋にとどまらず、他の容器包装についても、減らせるものを減らしていきたい、そのように考えています。
その調査の結果を紹介していきます。
《調査の概要》
調査では、「野菜や果物の包装」「お肉や魚の包装」「飲料容器を減らす取組」「レジ袋を減らす取組」「資源回収箱の設置」について、今回の調査用に作成した調査票に基づいて実施しました。
調査は地域住民(ごみ減量推進会議会員)の協力を得て、京都市ごみ減量推進会議事務局スタッフ(以下ごみ減スタッフ)、NPO法人環境市民スタッフらと、三者で店頭に出向いて実施しました。
調査期間は、2011年5月24日(火)から6月9日(木)の間、京都市北区に立地するスーパーマーケット(生協を含む)22店舗を対象として実施しました。調査に先立ち、予め各スーパー等の本社に連絡し、調査趣旨や訪問日などを伝え了解を取り付けました。
店舗名 |
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イズミヤ白梅町店 |
エムジー金閣寺店 |
エムジー上賀茂店 |
エムジー上堀川店 |
エムジー西賀茂店 |
エムジー大徳寺店 |
北大路ビブレ |
グルメシティ北山店 |
グルメシティ北山店 |
コープきぬがさ |
コープにしがも |
食品スーパー鞍楽ハウディ |
スーパー大国屋今宮店 |
生鮮館なかむら衣笠店 |
生鮮館なかむら紫明店 |
生鮮館なかむら上賀茂店 |
生鮮館なかむら西賀茂店 |
フレスコ御薗橋店 |
フレスコ千本鞍馬口店 |
フレスコ北野白梅町店 |
《野菜や果物の包装》
農産物の包装について、日本チェーンストア協会の「青果物におけるトレイ包装の具体的指標」で「トレイの使用を必要としない」とされているものを基本に、ねぎ、ブロッコリー、ピーマン、じゃがいも、たまねぎ、レタスなど通年出荷され利用の多い野菜と、店舗によって包装の差が出やすいと思われるグレープフルーツとりんごを加えた19種を対象に取り上げ、それぞれ、はだか売り、袋入り、トレイ販売など、包装の状況を調べました。
なお、調査日当日販売されていなかったものについては「調査日当日扱いなし」としました。
青果物の包装 調査対象品目
大根 | じゃがいも | かぼちゃ | もやし |
かぶ | たまねぎ | なす | えだまめ |
ねぎ | にんじん | レタス | グレープフルーツ |
ブロッコリー | ごぼう | ししとう | リンゴ |
ピーマン | きゅうり | おくら |
調査の結果、トレイを使った包装は、大規模店舗を中心にあまり使用されていないことがわかりました。一方、チェーンに属さない小規模スーパーでは、調査対象としなかった農産物も含め、まだかなりトレイが使われていることもわかりました。
また、下に示すとおり、包装なし(はだか)で売られている品目は、 少ないお店では19品目中2品目だけでしたが、多いお店では12品目ありました。
お伺いした22店全体では平均して5.6品目が包装なし(はだか)での販売でした。青果物は全体的に袋売りが多いことがわかります。
《お肉やお魚の包装》
トレイなしの販売
ごみ減スタッフおよび環境市民スタッフによるお肉やお魚売り場での調査では、トレイなし販売の有無、売り場でトレイ付き商品が占める率、容器持参での購入ができるかどうかを調べました。
精肉売り場で、食品トレイの使用率が「96%〜100%」に達する店舗は22店中17店舗、鮮魚売り場では20店舗に達していました。今後スーパーの容器包装を減らすうえで、精肉・鮮魚売り場の食品トレイの削減が課題となるでしょう。
食品トレイ削減の取り組みでは、食品トレイなし販売の有無と容器持参による購入の可否を調べました。食品トレイなし販売は、精肉では8店舗(36%)で実施されていました(ほとんどが鶏肉)。魚(干物なども含む)は全体の3分の2にあたる15店舗で取り組まれていました。
容器持参での購入
容器持参での購入については、精肉売り場の場合、「表示はないが、店員に頼めば対応可能」とした店舗が10店(48%)ありました。鮮魚売り場では、「容器持参での購入に対応可能な旨、表示した店舗」が2店(9%)、「表示はないが、店員に頼めば対応可能」とした店舗は14店(64%)ありました。表示はありませんが、実際には対応できる店が多いことから、今後に期待ができそうです。
《飲料容器を減らす取り組み》
「リユースびんの扱い」と「水のはかり売り機」の供給機の設置状況を調べました。
リユースびんについては、ビールだけを調査対象としました。
びんビールを扱っている店は22店中2店だけで、全体の1割に満ちませんでした。
「水のはかり売り機」が設置されていると、ペットボトルごみの発生を少なくすることにつながります。ですが調査した22店中、設置は5店にとどまりました。ただ、規模の小さなスーパーでも設置していて、規模が大きくなければ取り組めないものではないと思われます。また、同じチェーンのなかでも、設置・未設置店があるなど、取り組み状況にばらつきも見られました。
《レジ袋を減らす取り組み》
レジ袋を減らす取り組みについては、どのような削減取り組みをしているか調べるとともに、削減の成果を、お客さんに知らせる取り組みがなされているか調べました。
結果、北区では22店中10店でレジ袋無料配布中止(有料化)が実施されていることがわかりました。
他の12店のうち7店が、レジ袋辞退者に何らかの特典を付与していました。削減の成果を店頭に掲示したり、配布物でお客さんに知らせているのは、4店にとどまりました。なかにはレジ袋の削減数を社内では把握しているのに、お客さんに広報していないスーパーもありました。
《資源回収箱の設置》
店頭などに、どのような資源回収箱が設置されているか、調べました。
食品トレイの回収箱は、白21店、白以外(色物)20店とほとんどのスーパーで設置されていました。牛乳パックも20店で設置されていた。トレイと牛乳パックを除くと、PETボトルは4店、ガラスびん5店(うち京都市の回収箱設置が4店)、アルミ缶2店、スチール缶は0店など、極端に設置店が少なくなることもわかりました。