平成28年度:「EcoおばちゃんProject2016」:その1

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[平成29年2月26日取材]

「畑と共に時間が流れている感じがする。」

2016年度の活動も最終段階となる2月下旬の日曜日、ジャガイモの種芋植えとコアメンバーによる活動の振り返りの場にお邪魔しました。朝8時半頃から地域の中心メンバーが6名ほどすでに集まっていて、熟成堆肥を運んだり、耕したりと下準備をしながら子育て世代と子どもたちを待っています。
10年前に廃校となった元梅逕中学校は、下京中学の第二施設となっています。体育館や校庭で部活動を行う中学生たちの元気な声の中で、多世代の地域の方が畑をする光景、また、落ち葉で遊ぶ3歳児たちとユニフォームを着た中学生がすれ違い挨拶する姿など、ここならではの素敵なシーンだなと思いました。
廃校になって最初の夏、雑草が生い茂って、なんとかせねば!というところから始まった「畑」ですが、10年の間に異世代が共に育み合う環境共育「エコシューレ」にまで発展しました。その活動領域も、梅逕学区から梅小路小学校区へと広がり、今年度は下京区役所の屋上での活動もさらに増え、広がりがあります。また、地域を越えて呼びかけているだけでなく、季節ごとの畑作業のほか、エコな工作教室やエコサマーフェスタ(夏まつり)、伝承遊び、エコバスツアーなど畑の外にも学びや交流の場をたくさん持っているのが魅力です。さらに、今年度はマレーシアやタイなど海外とのつながりや交流もあり、芋の葉っぱをほうれん草のように食べる方法を教えてもらったり、京都学生祭典の大学生たちがエコサマーフェスタのお手伝いをしてくれたりと、とても豊かな環境共育を全世代で相互に体験している様子です。「この10年は、畑と共に時間が流れている感じがする」とおっしゃっていたのが印象的です。

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継続は力、広がりの素。

 参加されている子育て世代のお母さんたちとお話をしてみると、「大根の葉っぱや芋のつるなど、スーパーには売られていないものの調理方法を教えてもらえる。」「都市部で子育てをする中で、安心して土に触らせることができるのがありがたい。」など、参加されているみなさんが、好意的にこの場を求めてこられていることがわかりました。
 活動の課題について、コアメンバーのみなさんにお聞きしてみると、「若い人たちの参加をもっと呼びかけていかないと」「自分たちも10年前から10年分、年をとっているわけだし継続が心配になる。」「若い方たちは勤めに出ていらっしゃって、参加が難しい。今参加してくれている人たちも、子どもたちがもう少し大きくなったら、職場復帰をされるだろう。」などと中心メンバー層の厚みを期待している雰囲気でした。また、資金の心配も常にあるとのことでした。地域の自主的な集まりなので、参加費をとって実施するようなものでもないし、かと言って資材や苗代は、多少かかるし・・とジレンマがある様です。
そのようなお話の中で、若い方たちが主催するのを後方支援していく形ができたら理想だとおっしゃっていたのも印象的です。実際に今年度は、若いお母さんたちの企画・主催を支援する機会がありました。また、下京中の野球部に合わせて掃除の実施や防災訓練として大根炊きやアルファ米の炊き方を見てもらうなど、畑を中心に清掃や防災、交流が進んでいるのも大きな成果だと言えます。また、毎年やっているからこそ、「お芋を焼くのは、湿らせた新聞紙にくるんでからアルミホイルでくるむんだよ。」と、経験者の小学生が率先して説明をする場面などもあり、継続の証がさまざまに見られます。

最後に、「10年間やってこられた秘訣は?」とお聞きすると、「結束力」と即答されました。仲良く助け合ってこられたメンバーの地域コミュニティの力だと実感しました。
プラムロード1

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