平成28年度:「体操服!いってらっしゃい,おかえりなさい実行委員会」:その1

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[平成28年10月26日取材]

 10月26日(火),山科区にある大宅小学校で「体操服!いってらっしゃい,おかえりなさいプロジェクト」の岡部さんによる授業があり,参加してきました。事前に,雨の場合は延期になるとお聞きしていて少し不思議に思っていましたが,5年生4クラスの授業が始まると,すぐにそのワケがわかりました。
 勝手ながら岡部さんのことを体操服の製造メーカーさんの方かな?と思っていましたが,実はフォトグラファー。授業は,写真家としてお話が始まりました。修業時代はすべてフィルムカメラで,美しい写真を撮るのに,大量のごみ(フィルムケースや紙包装,時には現像した写真など)を排出するのに違和感があったこと。試しにごみからピンホールカメラを作って撮影を始めたこと。お師匠さんに話したら「ごみから作ったもので,人を感動させることはできない」と言われ,自信をなくし,その後誰にもこのことを話せなくなってしまったこと。その後,アメリカのアウトドアブランド「パタゴニア」の副社長で環境活動をライフワークにしているリック・リッジウェイさんと出会った時に,(この人になら言えるかも?)と思い話してみたら,「ファンタスティック!」と言われ,その一言で自分の行動が変わったこと。などを前半で話されました。子どもたちはとても集中して話を聞いていました。
 この日は,特別にこのピンホールカメラで撮影をさせてもらいました。太陽の力を借りて,シャッタースピードが30秒間のクラス別記念撮影。背景はどこにするか,誰がカメラマンで,誰が時間を管理するか,残りのみんなは動かずに30秒耐えよう!などクラスごとに話し合い,わくわく外に出かけました。
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 子どもたちは,時間も労力も必要とした1枚のクラス写真を確認しました。制約が多く手軽に撮ることができないこのカメラで,なぜ岡部さんはずっと写真を撮っているのか。それは普通のカメラでは決して撮れない太陽を撮るためだと,子どもたちは知りました。それから次のような話の続きがありました。太陽の写真の個展をした際に,小学校1年生の時の担任の先生が新聞記事を見て連絡をくれ,清水小学校に招いてくれたこと。そこで子どもたちから「ごみでカメラを作る他にエコなことをしていますか?」と質問があり,「今着ているTシャツは何度もリサイクルできる服」と答えたら,子どもたちはその場で着ていた体操服を確認し,「リサイクル可能」な表記がないことを知って「自分たちも永遠に捨てない服にしたい!」と宣言してくれたこと。「大人になったらこんな服を買ってね」と言ったら,「私たちが大人になるまで地球は待ってくれますか?」と言われたこと。その時に「今できることをやろう!」と動き始め,「体操服!いってらっしゃい,おかえりなさい」プロジェクトが始まったこと。
 出会いがなければ,体操服のプロジェクトはなかったかもしれない。出会いから気づきがあり,出会いから社会が変えられる。出会った時は,何につながるかわからないけれど,友達と今話していることがすごいことにつながっているかもしれない。そんな話を聞いた子どもたちからは,その後,次々と質問が続きました。「清水小学校の女の子との出会いだけでは,体操服のプロジェクトはできないと思うけれど,どのように立ち上げたのですか?」など,話がさらに深くなったり,広がったりするような質問が多く,とても驚きました。質問時間を十分にとっていたのに,打ち切らなくてはならないほどでした。
 子どもたちには,自ら選択できるエコ行動が限られています。そんな中,身近な体操服の循環(リサイクルやリユース)に取り組むことはとても意味があると思いました。また,それを一写真家のストーリーとして聞き,自分たちにも「第二の体操服」のようなプロジェクトを生み出す可能性があると思えることは,取り組むべき環境問題が多い中で,希望だと感じました。
 次回は,実際に体操服を扱っている販売店さんで具体的な話を聞いてきます。

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以上

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