平成28年度:「おむつなし育児研究所 京都サロン」:その2

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[平成28年7月10日取材]

朝からよく晴れた7月10日の日曜日,こどもみらい館4階の第一研修室では,おむつなし育児研究所京都サロン(以下,おむつなし京都サロン)主催の「おむつなし育児&布おむつ祭り」が開催されました。このイベントは,おむつなし育児についての理解を深めてもらうため,講演会(講師:西山由紀さん)や体験ワークショップ,物販など,多彩なプログラムで構成されており,参加者同士の交流にも力を入れていました。この日は妊婦さんや生後1カ月~2・3歳の子どもを連れた親子まで,170名を越える申込みがあり,会場は熱気に包まれました。

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赤ちゃんにも優しいイベントを

講演時間になると,イベントの実行委員長である松本香澄さんから挨拶があり,賑やかな会場に期待感が加わりました。講師の西山由紀さんによるおむつなし育児の紹介や具体的な実践方法のレクチャーが行われると,「そんなに簡単にできるの?」や「もっと難しく考えていた」等の声が聞こえてきました。西山さんは,「赤ちゃんとお母さんの笑顔が増えること,気持ち良いねという感覚を共有できることがおむつなし育児の魅力です」と,参加者に優しく語りかけます。講演中,赤ちゃんがぐずったり泣いたりするとお母さんはヒヤッとするものですが,ここでは大丈夫。会場内は授乳や飲食が自由にでき,助産師さんの見守りもあるので,赤ちゃんは自分のペースで過ごすことができます。日頃,赤ちゃんのお世話に奮闘する家族にとって,良い気分転換の機会にもなっているなと感じました。

体験者の声に共感と驚きと

西山さんによる講演の後は,実際におむつなし育児を取り入れて子育てをしている4名の女性を交えて,嬉しかったことや失敗談などを伺いました。参加者から,おむつなし育児をする中で大変なことは?という質問が寄せられると,体験者のお一人は「おむつを外している時に,赤ちゃんがおしっこやうんちをして床が汚れることがありますが,‘そういうもんかなぁ’と思えるようになると,赤ちゃんが失敗してもいらいらせずに全てを受け入れられるようになりました」と答えて下さいました。西山さんからも「私も最初は床が汚れるのが嫌でしたが,1ヶ月ほどかかって少しずつ慣れていきました。赤ちゃんは,おしっこやうんちをすると汚れることや,出るとどんな感じがするのかを学び,1歳半から2歳頃には自分でトイレやおまるに座る日も出てきます。赤ちゃんの欲求を読み取るようにしているうちに,赤ちゃんは今何がしたいのかだんだんわかるようになって勘が磨かれていきます。それがおむつなし育児の喜びです」。便利な紙おむつに頼り過ぎることでおむつ外れの時期が年々遅くなっており,現在では平均で3歳半と言われています。月齢が低いうちから,赤ちゃんの自然な排泄の力を促し,大人が手助けしてあげるのがおむつなし育児の目指すところです。おまるや布おむつなども上手に取り入れ,早い時期に排泄が自立すると,紙おむつのごみが減り,環境にもお財布にも優しい結果となります。「子育てにはどうやっても手間暇が掛かります。それならば,家族でできる範囲でどうぞ赤ちゃんに‘手と目’を掛けてあげて下さい!」西山さんの願いです。

いろいろなおまるや布おむつを体験

12時からは,参加者もスタッフもその場でわいわい,ランチタイムとなりました。会場内には10のブース出店があり,その中には天然酵母で作られたパンや栄養満点のお弁当など,ランチにぴったりのお店もありました。この他,おむつなし京都サロンの展示ブースをはじめ,各種おまるの展示販売やオーガニックのベビー用品を販売するブース等,協賛団体・企業による出店で終始賑わいました。
 
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ランチタイムの後は,参加者が自由におまるや布おむつを体験できるワークショップが開かれました。初めておまるを使う親子には,おむつなし京都サロンのアドバイザーが1対1で丁寧に指導します。我が子にもおまるでの排泄や布おむつを体験させてあげたいとたくさんの親子が集まり,それぞれの月齢や生活スタイルにあった実践方法を熱心に聞き入っていました。

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今年度,おむつなし京都サロンでは,0歳~満2歳までの子どもを持つ保護者を対象に,各家庭でおむつなし育児を取り入れることによって,紙おむつの使用量がどれだけ減ったかを記録するアプリを開発し,集まったデータを今後の活動に役立てようという画期的な取組が始まっています。「紙おむつごみ減らし隊」と名付けられたこの取組もイベントの中で紹介され,参加者がおむつなし育児を気軽に始めるきっかけ作りになっていました。おむつなし育児が特別な育児方法ではなく,広く子育てに関わる人々に浸透するように,おむつなし京都サロンの活動は続きます。

ごみ減のサイト

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