平成28年度:「おむつなし育児研究所 京都サロン」:その1

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[平成28年7月1日取材]

まちなかが一気に祇園祭の景色や音色に包まれた7月1日、おむつなし育児研究所 京都サロン<http://omutsunashi-kyoto.com/>が主催している「おまる美術館」に行ってきました。会場は、御池通り堺町下ったところにある「堺町画廊」。明治初期に建てられた、通り庭のある古い町家ギャラリーです。いただいたチラシを頼りに伺いましたが、なんともインパクトのある表紙で、つい惹きつけられます。 

おむつなし美術館チラシ

「おまる」と言えば、幼児用のもの?と思って行きましたが、おまるは奥が深いです。以下のように、主催者のご挨拶にある通りでした。

おまる?

おまるといえば、赤ちゃんが使う、あのアヒルのおまるだけではありません!
おまるにもいろいろあり、長い歴史があります。洋の東西を問わず、排泄物を受けとめてきた人間のとめがたい必要性と、くらしのセンス、そしてアートの要素が含まれています。「おまる美術館」は、それを垣間見ることによって、現代の排泄の受け止め方をあらためて見直してみよう、という小さな試みです。
おまるコレクター村瀬春樹氏の貴重なコレクションや重要文化財のおまるをお借りして、今夏、京都で初公開いたします。

おまる!!

展示されているおまる25点のうち16点は、おまるコレクターの村瀬さんからお借りした貴重なものでした。代表の西山さんにどのようにお借りしたのか聞いてみると、意外にもファンレターからの出発でした。村瀬春樹さんの著書『おまるから始まる道具学―モノが語るヒトの歴史』を読み、おまる美術館の構想を得て、出版社宛てのお手紙で伝えたそうです。著者からすぐにお返事がきて、実現にこぎつけたそうです。このように、ひとつひとつ思いを形にするには、小さな行動の積み重ねなんだなと、感銘を受けました。
 来場者は、赤ちゃんを連れたお母さんたち、妊婦さんのほか、一般の方も多く来られていました。「おまる美術館」を知ったきっかけは、新聞やリビング新聞、カフェで見つけたチラシ、facebookや知り合いの紹介などさまざまでした。「前を通りすぎたんだけど、おもしろそうで、引き返してきた!」という方もいらっしゃいました。展示されているものや資料を読みながら「おもしろい、おもしろい」とつぶやいている方が多かったのも印象的です。

おまる美術館の様子

現在、おむつなし育児を実践中のお母さんは、「普段おまるでさせているだけに、「おまる美術館」に興味を持ってやってきた。」「現代は、下水道に慣れすぎているだけで、もともとは日用品だったんでしょうね。」と興味深そうに資料を読んでいました。
一方、おむつなし育児を初めて聞いたという方は、アドバイザーから実際にどのようにおむつなし育児を実践するかを聞き、「赤ちゃんはおむつの中で排泄するのが当たり前だと思っていた。」と、驚かれていました。おまるややり手水という昔ながらの方法で排泄すると、おむつにするよりもしっかり排泄できて、残便感や残尿感がなく、頻尿にならず赤ちゃんも気持ちよいようだという話には、「赤ちゃんを授かったら、ぜひやってみたい」と感心され、おむつなし育児に関するパンフレットを持ち帰っていました。

最後に、代表の西山さんにおまる美術館が始まっての感想を伺うと、「堺町画廊さんの場所の力も借りて、思った以上に美術館っぽくできたと思います。2,3世代さかのぼる子育てをテーマにするには、ぴったりの場所で、ここでできてとてもうれしいです。」と話されていました。準備中は、重要文化財のおまるの扱いや、会場内で疲れたお母さんがどこに座るか、どのように展示すると興味深いか、子どもたちが来場する中で展示品を壊れないようにするにはどうしたらよいかなど、いろんな迷いや話し合いがあったようです。ついに形になり、安堵と喜びが混ざった笑顔でした。
来週には、「おむつなし育児&布おむつ祭」が開催されます。今回、乳幼児に関わる人以外にも、大きくおまるや排泄への関心の扉を開いた「おまる美術館」の役割は大きかったと思います。「0歳からのおまる」に関する更なる意識の高まりにつながったと感じました。

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