会長あいさつ

京都市ごみ減量推進会議 会長 高月紘待ったなしのごみ問題。具体的な取組が急がれます。

市民,事業者,行政それぞれの立場を超え,また,それぞれの立場を活かしながら新たな絆をつくり,相乗効果を生み出そうとスタートした「京都市ごみ減量推進会議」。京都市廃棄物減量等推進審議会の答申の中で,行政主導だけではなく,市民・事業者・行政の3者の協働によるごみ減量の取組の必要性が示され,平成8年11月に発足しました。

ごみ減論(ごみ原論)〜会長あいさつにかえて

本稿は,平成18年9月16日に開催された「京都市ごみ減量推進会議10周年記念式典」において会長 高月 紘が行った基調講演をまとめたものになります。

――京都市ごみ減量推進会議が10周年を迎えるにあたり,今一度「なぜ,ごみを減らす必要があるのか?」,また「なぜ,ごみ減量推進会議なる組織が必要なのか?」考えてみよう。すなわち,「ごみ減」の原論である。

なぜ,ごみは減らさなければいけないのか

なぜ,ごみは減らさなければいけないのでしょうか。最近は学校でもごみを減らすための教育をするなど,どうしてそれが非常に求められているのか。私が館長を務める京エコロジーセンターでは,小学生向けにスライドを使ったクイズを展示しています。「ごみの中身はなんでしょうか」というもので,あらゆるごみについて知るきっかけづくりになっているでしょう。

もともとごみも地球の資源やエネルギー

言うまでもなく,ごみは最初からごみだったわけではありません。もともとはすべてがあらゆる商品・製品であったわけです。ですから「ごみを捨てる」ということは,まさに我々が使ってきた商品,あるいは製品を捨てるということになります。その意味を,今私たちは考えなければいけません。

大量生産・大量消費・大量廃棄などとよく言われますが,この大量生産・大量消費のところを見直すことが,ごみを減らすための重要なキーポイントとなってくるでしょう。商品や製品だったこれらは,もとは食べ物であれば農作物ですし,ペットボトルや紙ですと,石油や木材であったわけです。ほかにも鉄であったり,アルミだったりしたものもあるでしょう。みな地球の貴重な資源やエネルギーで作られたものなのです。

ごみと資源やエネルギーの話はつながっている

したがって,そういった商品・製品を捨てていくということがイコール,ごみを捨てることになります。そういう意味で,ごみを減らすということは,とりもなおさず現状の地球の資源・エネルギーをできるだけ大切にしていこうという運動なのです。

処理場の負担を減らすということだけにとどまらない,非常に重要な意味を持っています。

ごみを減らすことにより地球への環境負荷,資源とエネルギーの枯渇や温暖化を防ぐ。

-ごみ処理に使用される地方自治体の税金を削減し,他の福祉等を充実させる。
-「ごみ減」運動はリサイクルされる廃棄物量も含めて,廃棄物総量を減らすことを目標にする。

リサイクルより大事なこと

リサイクルは増えているけど・・・本当にこれでいいの?また一方で,京都市は議定書発効の地として地球温暖化防止に非常に力を入れています。その温暖化の原因である二酸化炭素というものを考えてみますと,これもごみととても深い関係にあります。というのも,先ほどお話したごみの本来の姿であった商品・製品はいろいろな製造工程や運搬工程を経て我々の家庭にやってくるわけで,その過程で常にエネルギーを使っているのです。エネルギーの多くは化石燃料に頼っており,そこで二酸化炭素が発生します。製品を作るとき,運ぶとき,そしてそれらがごみになってから処理するために収集車に乗せていくとき,そしてそれを燃やすときにも二酸化炭素が発生してくるわけです。現在,京都市ごみ減量推進会議などの団体の活動が盛んになったり,たくさんのリサイクル法が施行されたりして,できるだけ自治体のごみの処理量を減らそうとしています。たしかにそれは非常に重要なことですが,これだけではごみを減らすには充分ではありません。

2Rが重要

先ほど申し上げた「大量生産」の部分をいかに減らしていくか,実はこれが重要なポイントなのです。リサイクルの輪が大きくなっていくだけでは,実はもとのところは減りません。ここをぜひ皆さんと一緒に考えて,行動もぜひそういう方向で進めていきたいと思います。私たちが使っている商品や製品をできるだけ長持ちさせたり,あるいは修理したりして地球への環境負荷を減らす。こういうことがこれからの21世紀後半に向けての,持続可能な社会へ向かうための非常に重要なポイントです。「3R(リデュース,リユース,リサイクル)」と言われるようになって久しいですが,実は3Rの前の2つのR,すなわち2R(リデュース,リユース)の部分こそが重要なのです。

システムを整備し,官民が脇力する

では,それらを実際にやるには何が必要か。さまざまなリサイクル法ができていますし,それにしかるべき行政的な施策も打たれつつあります。しかしながら,それらはあくまでも行政ベースのシステムです。地方財政が非常に厳しい状況で,ごみの適正な処理,あるいはリサイクルに税金がどんどん使われていいのか。行政だけでごみの減量ができない状況にあるのは皆さんご存じと思います。我々が考えないといけないのは,我々の環境は自ら守る,可能な限りできることはやっていく,こういうことがこれからは重要になります。行政あるいは事業者と一緒に市民が立ち上がって,パートナーシップを組んでごみを減らしていくようなシステムをつくっていかなければなりません。そして,いろいろな議論の結果,京都で今から10年前に立ち上がったのがこの「京都市ごみ減量推進会議」です。この会の一番の値打ちは,この地域で密着してごみ問題を解決していこうと,ごみを減らそうと努力をしている人の集まりだということです。

これは非常にユニークな組織体なので,それがまた同時に非常に力になっていくし,実践的な効果が出てくる組織体だというふうに思っています。ごみ減量ということにとどまらず,これからの環境問題あるいは福祉問題も含めて,いろいろなところで地方自治体が市民と手を取り合って,あるいは事業者と手を取り合って,可能な限り自主的な取組を行政のなかでの活動としてやっていく。そういう意味で,私は「京都市ごみ減量推進会議」はこれからの日本社会における地方自治体の一つのモデル的な仕組みだろうと思っております。そういう意味で,大切な活動をしているということをこのお祝いの場で,申し上げておきたいと思います。

ごみ減量推進会議の意義 協働パートナーシップ現在,行政(地方自治体)は財政危機の上に課題が多く人手不足,事業者(企業)は社会的に企業倫理(CSR)や生産者責任が問われている,市民(消費者)は自立した市民意識不足や無関心層へのアプローチなど,各々課題を抱えている。

-そんな中でごみ問題など環境問題に取り組むためにはパートナーシップによる対策が重要になってきている。
-ごみ減はまさにパートナーシップを基本にした組織である。
-パートナーシップには情報の共有化が不可欠である。
ごみと二酸化炭素との関係

ごみ減のサイト

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